南山城地方で最大規模を誇る山城跡
鹿背山(かせやま)城は、JR木津駅の東側に位置する西念寺の裏山が城跡になります。多少キョリ(道なりに歩いて2キロ強ほど)はありますが、正直都市部と比べると交通機関が限られるので徒歩で向かうことになると思います。
西念寺の入り口には鹿背山城の案内板に加え、縄張り図が設置されており無料で頂くことができます。かなり昔に比べると整備されていると、城サイトで事前学習していましたが、正直道なき道も多いので、やはり冬場などが安全に見学できると思います。
墓地脇の道が大手道となっており、しばらく登ると竹が茂った場所に出てきます。このあたりに竪堀の案内板があり、もうしばらく登ると「主郭1(本丸と思います)」に出ます。ここには「櫓台」があり、かなりの高さになっています。
「主郭2」「主郭3」と恐らく二ノ丸、三ノ丸だと思いますが順に続く構造ですが、本丸と二ノ丸の間に大きな堀切があり、その堀底道を進むと水の手が残ります。
どこが最大の見所というよりも、城域内はどこも遺構がよく残り「南山城最大の山城」というキャッチコピー通り楽しめる城ですが、この城の歴史を日本城郭大系を参考に紹介します。
文治4(1188)年頃に木津太郎英清が築城したのが始まりとされ、当時はもっと小規模な城だったと考えられるそうです。室町時代には文明2(1470)年に畠山義就によって落城させられたとされます。
さらに時代は進み、戦国時代になると大和を支配した松永久秀が北の押さえとして鹿背山城を修築したとされ、現在残る城は戦国期のものだと考えられています。廃城の時期など、不明瞭な部分も多いようですが、恐らくは久秀が信長に謀反を起こし、敗れてしまった以降は運命を共にしたものと思います。
整備状態などを考えれば、城めぐり初心者の方には少し「ハードル」が高いかもしれませんが、中世・戦国期の山城ファンの方にはオススメ。正直、京都の山城の場合、車がないと訪問しづらい場所が多いですが、この城は冒頭で触れたとおり、多少は歩きますが公共交通機関と徒歩だけで訪問可能ですし、何より遺構状況が本当にいいので必見です。
所在地
京都府木津川市鹿背山鹿曲田
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,710円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】奈良線 京都駅~木津駅(快速停車駅) 料金 片道580円 所要時間 約42分ほど
【入館料】0円