三好長慶の家臣今村氏の居城跡

今村城は京阪・JR東福寺駅の北側にある滝尾神社を含む城域であったと京都大学人文科学研究所・山下正男氏の「京都市内およびその近辺の中世城郭」に記されています。今村紀伊守慶満なる武将の城館と考えられているそうです。
どうやら三好長慶の家臣にあたる人物のようですね。

それによると北側には今熊野川が流れ、南側には顕著な段差があるとされています。この今熊野川は今も滝尾神社のすぐ北接している道路の下に流れているようですが、暗渠となり水の流れを見ることはできなくなりました。
また南側ですが、確かに東福寺駅に向かい完全に下り坂になっている上、北側も大谷高校の付近から極端に下り坂になっていることから、今村城の位置が今も周囲に比べ高台になっていることは確かのようです。

道路を挟んでほぼ隣接する宝樹寺には「一ノ橋」の説明がされている解説板が設置されています。先の今熊野川に架かる橋があった説明がされいますが、この付近は平清盛の頃から戦闘に使われたそうです。

現在は遺構と呼べるものも、また滝尾神社の由緒書にも今村城のことは全く触れられていません。

すぐ近くには戦国時代に毛利氏の交渉役として活躍した安国寺恵瓊（あんこくじえけい）が僧時代に修行していた名刹・東福寺もありますので、城ではありませんが、織田信長も陣を置いたとされる東福寺巡りに合せてこの今村城も散策されてみてはいかがでしょうか。