西岡被官衆の居館跡か。伏見羽束師の城跡

菱川（ひしかわ）城は日本城郭大系などの有名史料には登場しない城ですが、2013年に発掘調査も行われたそうなので、当サイトではぜひとも取り上げてみようと思います。

参考にさせて頂いたサイトの一つがこちらの「好奇心京都」さん。
http://kioto-syokai.at.webry.info/201309/article_5.html

残念ながら訪問した2013年12月の時点では発掘調査されていたと思われしき場所も埋め戻されてしまっているようでした。
しかし、観音寺周辺に堀跡と考えられる水路や、不明瞭ですが民家脇に土塁のような地形を認めることができます。

城主なども分かりませんが、この一帯は室町時代、足利将軍直轄軍の役割を担った「西岡被官衆」がそれぞれ居館を構えた地ですから、この菱川城も恐らくは、西岡被官衆の関係者が居館を構えたものの跡ではないかと考えます。

地形も完全な平城ではありますが、水路の多い一帯で、かつ東側には桂川があるため軍事的な目的のみならず、その桂川の交通の抑えの役目も担っていたのかもしれません。

場所が公共交通機関で訪問される管理人のような城ファンには多少不便。
京阪中書島駅から市バスに乗って菱川バス停まで行くのが最も近いルートです。ただ本数が少ないため事前に時刻表などを調べておかれたほうがいいと思います。

菱川バス停からは少し向日市側へ移動し、右手にある小さな観音寺を目指せば迷うことはありませんが、城域内は完全な住宅地になっているため、訪問の際は住民の方への配慮を忘れずにお願いします。

この菱川城だけだと見所は決して多くありませので、伏見の歴史散策に合せて訪問されてみてはいかがでしょうか？