日本の城巡り「MARO参上」

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稲荷山砦(京都府)

応仁の乱で骨皮道賢が着陣した砦跡

 

全国の稲荷社の総本山にして、近畿ではナンバー1、日本でも有数の初詣客をあつめる伏見稲荷大社。古くは渡来系の秦氏とも密接に関わっていたとされる伏見稲荷ですが、この伏見稲荷のある稲荷山には城塞が築かれていたと、日本城郭全集に紹介されています。

延元元(1336)年に楠木正成が神戸の「湊川の戦い」で戦死すると、足利尊氏は光厳上皇を擁し入京。この際、後醍醐天皇の軍は京都を追われますが、一部はこの稲荷山に籠もり戦ったと、「大社年表・梅松論」に記されていると、冒頭の全集に説明されています。

管理人もこの名前はマンガ太平記で強烈に覚えていますが、応仁の乱の際に、骨皮道賢がこの稲荷山に陣を置いて西軍と戦ったとも記録されます。
この時には西軍に稲荷の社殿は焼かれてしまったとのこと。

その後、稲荷山に城塞が築かれたとされる記録はなさそうですし、日常的に利用されたものではなく、戦時中に限って利用された砦ではありそうですが、確かに登山道は舗装もされており、山城歩きに慣れている城ファンの方には拍子抜けされるかもしれませんが、標高も233メートルあり、京都の街並を見下ろせる場所にあることから、十分に戦略的に利用される価値があったことは理解できる山城跡です。

ただし残念なことは山自体が御神体でもあり、参道を外れて勝手に散策などできないことから、往時の遺構等も見つけることはほぼ不可能。

というよりも、山頂にかけて売店なども揃っていることから、山自体改変もされてしまっているとは思います。
また石碑もなく、由緒書などにも稲荷山砦のことは触れられていませんので、日本城郭全集が唯一、京都の城跡の一つとして紹介しているため、当サイトも京都の城として紹介しますが、本当に伏見稲荷を城砦跡として紹介していいのか、少し後ろめたい気持ちもあります。

城跡としてぜひ訪問してくださいとは、さすがに言えないのですが、稲荷大社としては有名な千本鳥居など見所はたっぷりありますので、十分に訪問する価値のある神社。
舗装はされていますが、体力はかなり使いますので、山頂を目指す方は動きやすい格好では訪問してください。

近くのオススメすぽっと

京阪伏見稲荷の西側(龍谷大学がある側)のうどん屋「けんどん屋」さん。食べたのはカレーうどんですが、定食はじめメニューも豊富。観光地・稲荷ですので様々な飲食店が揃いますが、こちらのお店もオススメです。
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所在地

京都府京都市伏見区深草藪之内町

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR在来線】JR山手線内回り 新宿駅~品川駅(乗換え) 料金 片道190円 所要時間 約20分ほど
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】奈良線 京都駅~稲荷駅 料金 片道140円 所要時間 約5分ほど
【入館料】0円

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