足利幕府の有力者が暮らした場所

京都御苑から烏丸通りを挟んでの西隣に平安女学院大学京都キャンパスがあり、ここは織田信長が足利義昭の居城として造った二条古城の跡地であることは、よく他のお城サイトでも紹介されており有名ですが、ここはもう一つ室町時代の武将の居館跡。

二条古城の案内板から細い室町通りをさらに南へ向かうと、同じ学校の敷地に「斯波氏武衛陣・足利義輝邸」の案内板が設置されています。

足利幕府時代、三管領（斯波・細川・畠山）筆頭として足利将軍家なみの扱いを受けたともされる斯波氏は、役職から当主のことを武衛と呼んだそう。後、応仁の乱で消失するまで「武衛陣」とこの斯波氏の居館のことは呼ばれたとのこと。

さらに足利13代将軍・義輝の邸宅もこの地に築かれたそうで、歴史上の表舞台になったのは皮肉にも義輝最期の時。1565(永禄8)年に松永久秀や、三好三人衆に襲撃され義輝が討ち取られた場所もこの地。

しかし現在は両者の居館跡を偲ぶものは、近くの地名に武衛陣町の名が残る以外は何もありません。それもやむなし、さらに義輝亡き後1569(永禄12)年には最初に触れた二条古城が同じ場所に築城されることになるのですから。

ここはぜひ二条古城跡へ行く際に忘れずに押さえておきたいスポットです。