丹後守護一色氏の家臣が治めた戦国時代の山城跡
大久保山城は京都丹後鉄道(旧北近畿タンゴ鉄道)の宮津駅の西側、ちょうど宮津城を突っ切っていき、桜山天満宮の裏山から、続く智源寺の裏山にかけての尾根沿いにあった城跡だとされます。
その桜山天満宮境内の公園側に回ると「大窪山城」の木碑と、その碑の少し先に解説板も設置されています。木碑には細川がラシャ居城跡の文字も記されています。
まずはその大久保山城の歴史ですが、日本城郭大系によると城主は諸説あるようで「細川家記」には天正6(1579)年に織田信長の命で細川藤孝、明智光秀が丹後を攻略すると、それまでの丹後守護だった一色義有が降参、その後は「降参するものは助命する」との命をだしたそうで、その中に「大久保城主小倉播磨守」が含まれていたとされ、ここから小倉氏が統治していた城ではないかという説が一つです。
次に「宮津府志」ではその小倉播磨守の傘下だった野村将監がおり、その武将もしくはその子の小藤次が当時の城主ではなかったのかという説の二つがあるようです。
いずれにしても、丹後守護の一色氏に使えた小倉氏の影響を受けていたことは間違いないようです。
冒頭で触れた細川ガラシャ居城というのは、宮津が一色氏の統治から細川氏に変わる中、藤孝の嫡子で、ガラシャの主人だった忠興がしばらく居城にしたことから、そのような触れ込みをしているようですね。ガラシャについては宮津城の城域の大手側沿いに銅像が設置されています。
さて、この大久保山城、実は完全に山には入っておりません・・・
滞在時間が限られていたためと、宮津に到着した頃はすでに夕日が傾き始めていたためです。
実際のところ目だった遺構は望めないと事前に知っていたこともあるのですが、「大久保山城に行った」と言っていいのか少し悩んでしまう訪城記になりました。
宮津市は同じ京都府でも京都市からはかなり遠方になってしまいますが、また機会をみつけて他の城跡含めて再訪問をしたいと思っています。
訪問されるのは冬季(といってもこの地方は雪が降りますので、天候には注意が必要です)の晴れた日がオススメです。
所在地
京都府宮津市万町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道14,110円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR山陰線】有料特急(まいづる) 京都駅~西舞鶴駅 料金 片道3,350円 所要時間 約1時間30分ほど
【京都丹後鉄道線】西舞鶴駅~宮津駅 料金 片道570円 所要時間 約30分ほど
【入館料】無料