今も遺構が残る土豪物集女氏の居城跡

最寄り駅の阪急洛西口駅は京都市西京区になる、京都市と向日市の市境にあるのがこの物集女（もずめ）城です。

その名も物集女氏による居城で、物集女という名前が珍しいので調べてみると、古代に百済からの渡来系氏族であった秦氏（秦の始皇帝の末裔という伝説もあるようですが・・・）の一族と伝わるようです。

今、乙訓や桂とされる一帯は「西岡（にしのおか）」と呼ばれ、室町将軍家の家臣を「西岡被官衆」と呼び、この物集女氏もその一人であったとされます。

織田信長が山城を平定した後は、1573（天正元）年に細川細川藤孝がこの一帯の一職を与えられると、藤孝は西岡被官衆ら国人の領土を安泰としました。国人らは藤孝の下にお礼に参上することになるも、当時の物集女氏当主・忠重入道宗入は、代々の土地だけに、お礼に参上するいわれはないと拒否。その結果勝竜寺城で誘殺され、以後、物集女氏は衰退したと、現地解説板にも記されています。

現在ですが、洛西口駅を出てすぐの幹線道路を西へ移動。途中やや登りになりますが、現在はずいぶん土地改変もされているのでしょう。歩きでもキツさを感じない程度の傾斜です。

御所海道という交差点を左折（南側）へ向かうとしばらく歩けば城跡へ着きますので、駅からもわかりやすい場所ではあります。

ただし解説板などのある場所は、細い道の住宅街の中にあり、これは非常にわかりづらい場所でした。

城跡の中に立ち入りることができないのが残念ですが京都・大阪両市のベッドタウンで遺構を守るためにはやむを得ないのかもしれませんね。。