日本の城巡り「MARO参上」

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如意岳城(京都府)

足利義輝らが使用した大文字山頂の陣城

 

銀閣寺の背後にそびえる大文字山の山頂に如意岳(にょいがたけ)城はありました。日本城郭大系によると応仁の乱(1467~77)の間、文明元(1469)年に東軍に属した多賀高忠が築城したのが始まりとされます。この人物は室町幕府の京都侍所所司代を務めた、近江京極氏の一族であった武将でした。

応仁の乱以降も、細川高国や足利13代将軍の義輝らがそれぞれの争いで陣城として使用したとされます。特に義輝の時代には、その父で12代将軍の義晴が同じ山続きで中尾城を築城。実質的な天下人であった三好長慶との争いの場になっていました。

いつごろ廃城になったなどの情報はありませんが、この後天下は織田信長に移り、元亀元(1570)年の信長と浅井・朝倉氏との争いや、翌(1572)年の比叡山焼き討ちでも使用されたと考えられているそうです。

恒久的な城でなく陣城であったそうなので、元々豪勢な建築物は無かったと思われますが、現在空堀跡や、土塁などの遺構を確認することができます。解説板や石碑などは設置されていません。

冒頭で触れましたが如意岳城に登城するには、銀閣寺への訪問ルートと途中まで同じ。山門の前を素通りし、その山門を正面に見て左へ進み朝鮮学校の方向へ進みます。この朝鮮学校側に入ると中尾城へ訪問でき、目の前の駐車場に中尾城の案内板が設置されています。

如意岳城のある大文字山は多くのハイカーが訪問する人気の山。火床まで多くのハイカーとすれ違いますので、一人で登山される方も安心して訪問できると思います。その火床直前のコンクリート製の階段がよく個人のサイトで紹介されており、それが原因かもしれませんが街中にショッピングに行かれるような格好の若いカップルの姿もありましたが、ほとんどの道は整備されていますが山道。また火床からさらに如意岳城へは山道で途中には滑りやすいスポットもあるため、最低限足元だけはしっかりとした履物で訪問されることをオススメします。

火床を越えしばらく歩くと案内板はありませんが、恐らく土橋と思われる場所が出現してきます。山頂で多くのハイカーが集うスポットを越えると城東側へ。その虎口は大変よく分かりやすい遺構が残されています。全体的に東側の遺構がよく残されているように感じました。

京都市中心部に近く、比較的お手軽に訪問できる戦国時代の山城跡です。ただし一時期、大文字山には熊出没のニュースもあったことも事実(如意岳城エリアではありません)ですので、一応の用心はあったほうがいいかと思います。
観光客の多い山ですが、「山」であることには代わりませんので決して油断はしないで城散策を楽しんで頂きたいと思います。
大文字山に熊出没を知らせるブログ

所在地

京都府京都市左京区粟田口如意ヶ嶽町

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR在来線】山手線 新宿駅~品川駅(乗換え) 料金 片道200円 所要時間 約20分ほど
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,910円 所要時間 約2時間15分ほど
【京都市バス】17系統など 京都駅~銀閣寺道 料金 片道230円 所要時間 約40分ほど
【入館料】0円

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