三好義継が築城したと伝わる洛南の城塞伝承地
京阪中書島駅から徒歩で三栖(みす)神社を目指すと、同名の神社が疎水前にありますが、神社としては関連していますが、当サイトで紹介させて頂く津田城伝承地とは全く関係のない場所になりますので、注意が必要です。
阪神高速京都線の高架をくぐりさらにしばらく歩くと、三栖神社が現れますが、こちらが津田城の伝承地とされます。
津田城は日本城郭大系には登場しませんが、その前身・日本城郭全集に登場します。
それによると別名を三栖城と呼び、永禄年間(1558~69)に三好義継とされます。
義継は三好氏の本家筋の最後の当主で、大阪の若江城で織田信長の攻撃にあい、自害した武将とされます。
宝永2(1705)年の村図によると、三栖神社の敷地は現在より広く、堀をめぐらし、その周辺に環濠屋敷があったとされます。現在も神社の住所は「城ノ前」であり、なにがしか武将の居館があったことを感じさせてくれます。
現在は遺構はなく、石碑も用意されていません。また神社の由緒書などにも津田城に関する記述は全く見られません。
神社内には堀らしき地形がありますが、確証はありません。
ただ近くの道路にはほかにも堀跡を感じさせる地形もあり、この地に、中世の館程度のものは確実にあったのではないかと感じさせます。
この近くは室町将軍に仕えた西岡被官衆と並ぶ、横大路衆が存在したとも伝わりますので、地形だけを見ると決して築城条件が整っているとは言いがたいですが、室町幕府側の主要人物である三好氏にとっては都合のいいバックボーンがこの地にはあったのだと思われます。
見所の多い城跡ではありませんが、伏見城、淀城なども近い場所にありますので、伏見の史跡めぐりに合せて訪問されてみてはいかがでしょうか。
所在地
京都府京都市伏見区横大路下三栖城ノ前町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【近鉄】京都駅~丹波橋駅(急行停車駅) 料金 片道200円 所要時間 約10分ほど
【京阪】丹波橋駅~中書島駅(特急停車駅) 料金 片道150円 所要時間 約3分ほど
【入館料】0円