織田信長、大阪攻略の最前基地

地下鉄「四天王寺前夕陽ケ丘」駅すぐ近くの月江寺。かつてこの付近には、石山本願寺を攻撃する織田信長が、原田直政に攻め手のために天王寺城を築城させたと言われています。

本願寺側も対抗し、木津（西成区出城付近）と楼の岸（天満橋付近）に砦を構え対抗。ついに開戦となりますが、本願寺勢は強く、先の原田直政は討ち死に。その結果、長期戦に持ち込むことにした信長は、佐久間信盛・勝正父子を天王寺城に入れ石山本願寺に対するものの、特に佐久間父子に目立った功績などがなく、和議により本願寺が石山の場所を退去した後、高野山へ追放されてしまいます。

天王寺城はその後、廃城となったそうです。

一帯は完全に開発されてしまっているため遺構のようなものはないのは仕方がないと思うのですが、案内板や石碑が設置されていないのは、歴史上に名高い武将ゆかりの城砦跡でもあるだけに少し残念な気持ちです。

また月江寺の境内へは訪問日が休日の夕方15時頃に訪問したのですが、山門が閉ざされ中を伺うことはできませんでした。周辺の地形は往時のままと思えないものの、その本願寺攻めのことは、又聞きでも覚えていたであろう徳川家康が、後の大阪の冬の陣では天王寺城のスグ南側にある茶臼山に陣を構え、また夏の陣では代わって真田幸村が陣を置いたとされるので大阪城（石山本願寺）方面を睨んで対峙するには適していた場所なのだろうと思います。