小学校脇に石碑が残る三好一族の城跡

地下鉄谷町線の野江内代駅か京阪本線の野江駅が最寄。現在の野江水神社の辺りから、隣接する榎並小学校付近が城跡推定地とされます。

楠木正成の三男・正儀が南北朝の動乱の際に、この付近に陣を構えたとされます。その陣がベースになったかは不明なようですが、同じ野江の地を戦国期の一時期、黄金時代を作った三好一族の政長が居城を作ったのが榎並城とされます。

同族同士の争いとなった1549年の「江口の戦い」では江口城と並んで戦乱の舞台にたった城だったそうですが、三好長慶に政長が敗れ戦死するとこの城も廃止になったと考えれています。

この後に、織田信長と石山本願寺の対立が激化すると、本願寺側の砦が再び榎並城跡地に築かれたともされています。

現在は大阪市内中心部にも近く都市化の中で遺構は全く残されていません。野江水神社の案内板に榎並城についての記述と、榎並小学校の門の脇に石碑が残るのみ。

都市部の城跡伝承地によくあるケースですが、このようにせめて石碑だけでも建てられているのは、城巡りファンとしてはありがたい配慮です。

場所が小学校と民家の細い路地になっているので、見学の際は配慮を忘れないようにしたい場所です。