大石定久の居館跡と伝わる八王子の名刹

八王子市の名刹・永林寺。本堂には後北条家の家紋「三つ鱗」。また後には徳川家とも関わりをもつなど戦国武将ゆかりの歴史背景をもつ寺院です。

お寺としても規模の大きなものですが、本堂裏にある一般の墓地の裏に「由木城跡」と書かれた一角があります。

由木城は元々は鎌倉時代に由木氏によって築城されたと伝わり、その後関東管領・山内上杉氏の重臣だった大石定久が入ったと言われているようです。

大石定久自身は後に近くの滝山城へ移り、また河越夜戦（1546年）で扇谷上杉、山内上杉と両者とも後北条氏に敗れると大石定久は北条氏照を婿養子に迎え、後北条氏の傘下に加わったとされます。

現在境内の墓地に、大石定久の墓も残ります。

肝心の城跡ですが遺構らしきものは残りませんが立派な石碑と、大石定久の銅像が建っています。その背後には雰囲気のある土盛りなどもありますが、どうやら後に開発されたものだそうです。

ですが個人的には扇谷上杉方の重臣・太田道灌に比べてやや扱いが地味と感じる大石氏の銅像などが見学でき、なおかつ寺院としても見所の多い場所ですので「城跡」としてはオススメ度は低いですが、「歴史散策」をする場所としてはオススメの場所。

最寄り駅からも少し歩きますが、道中にはその大石定久とは家系図的には別系のようですが、おそらく同族でしょうか・・大石宗虎なる武将の居城跡と呼ばれる「大石やかた公園」などもあるので、道中も十分に楽しめるのではないかと思います。