幕末に徳川幕府が外国船に備えた河川台場
京都府と大阪府の府境に位置する台場跡です。京都府側にある京阪橋本駅(八幡市)から南側に広がる農道を、京阪沿線に沿うように進んだ所に解説板が用意されています。
その解説板によると次のような歴史背景があるようです。
慶応元(1865)年に、会津藩(松平容保が京都守護職を務めていた)からの建白(政府などへの意見の申し立て)大阪湾から京都に外国船が侵攻することを防ぐために築かれたました。
また外国船だけでなく長州藩のような尊皇攘夷派の京都入りを阻止する目的も兼ねたようです。
設計の総責任者は勝海舟が行ったようで、当時は土塁と堀で囲まれカノン砲が3門、番所、火薬庫を備えていたようです。
淀川の対岸側(大阪府島本町)には高浜台場が設置され、そちらにはカノン砲が4門配備されていたようですが、鳥羽伏見の戦いの際、両台場の管理は先に触れた会津藩が行ったものの、実際の守備は、こちら樟葉は小浜藩(現・福井県)の酒井家が、高浜は津藩(現・三重県)の藤堂家が担当しましたが、藤堂家が新政府側に寝返ったため両台場は交戦状態に入ったとのことです。
樟葉台場は伏見方面から敗走してきた幕府軍も入り混乱状態に陥り、砲を破壊し退去したとされます。
平成19、20年度の調査で石垣の一部などが発見されたそうですが、訪問時には確認することはできませんでした。また橋本駅からも多少距離があることに加え、車一台(農道のため一般車は入れなかったと思いますが・・・)程度の道幅の農道を進んでいきますので、道路標識なども少ないので事前に地図で場所の確認をしておくことをオススメします。
日本で唯一の河川台場という希少性の高い史跡で、平成23(2011)年に国の指定史跡となったため、今後史跡公園などの整備化に期待したいところです。
所在地
大阪府枚方市楠葉中之芝2
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【近鉄】京都駅~丹波橋駅(急行停車駅) 料金 片道200円 所要時間 約10分ほど
【京阪】丹波橋駅~橋本駅 料金 片道260円 所要時間 約15分ほど
【入館料】0円