信長の父・信秀が三河勢力に対抗し築いた城跡
名古屋地下鉄東山線の覚王山(かくおうざん)駅すぐ近くにある城山八幡宮が末森(すえもり)城跡となります。
あたりは完全に市街地化されていますが、起伏の目立つ地形。その中で八幡宮は明らかに当時は平山城と呼べる高台にあったことが分かる地形に存在します。
八幡宮の鳥居そばには末森城の解説板が設置され、階段を登ったところに驚くほど明瞭に空濠が残されています。
まずは末森城の歴史を振り返りたいと思いますが、織田信長の父・信秀が天文17(1548)年に築城。古渡城から自身も移動したとされます。さらに北側に位置する守山城には弟の信光が守備し、それと連携して三河に対する織田方の重要な防御ラインであったとされます。
信秀は翌年にこの城で亡くなってしまい、跡を信長の弟・信行が継ぎますが、その信行は信長に謀反を企てたことで弘治3(1557)年に清洲城にて謀殺され、以後自然と廃城になったと考えられるそうです。
現在の末森城は冒頭で触れたとおり城山八幡宮となっており、訪問は正月でしたので、多くの地元の住民の方が初詣に訪れる活気のある神社になっています。
なんといってもこの城の見所は空濠でしょう。初詣のため本堂付近は長蛇の列になっており、隅まで散策できたわけではありませんが、それでも深さ、幅とも申し分のないスケールの遺構を堪能することができます。周辺は商業地ではありませんでしたが、しれでも市街地というより、完全に都会のど真ん中といった表現が似合うような場所。
こんなロケーションでこれほどの遺構を堪能できるのは大変嬉しいことですし、いつまでもこの遺構を守り抜いて欲しいと願ってやみません。
神社自体もアスファルト補整されていますので、四季・天候に左右されることなく訪問することが可能な城跡です。
ただ驚くほど初詣の方が多い神社でしたので、正月三箇日はできれば訪問は避けたほうが、もっとじっくりと散策ができると思います。
非常に手軽に、また安全にかつ、戦国時代の城に触れられるオススメのお城です。
所在地
愛知県名古屋市千種区城山町2
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~名古屋駅(乗換え) 料金 片道10,780円 所要時間 約1時間40分ほど
【名古屋市営地下鉄線】東山線 名古屋駅~覚王山駅 料金 片道230円 所要時間 約14分ほど
【入館料】0円