大阪冬の陣の激戦地となった豊臣方の城砦跡（1）

JR・京阪京橋駅から徒歩で訪問しましたが、地下鉄蒲生四丁目駅が最寄駅にはなります。今福（いまふく）砦は、住宅地の中にひっそりと立つ若宮八幡大神宮付近がその跡地と考えられ、大阪夏の陣（1615年）では徳川軍の佐竹義宣が本陣を置いたことを記念した石碑が建立されています。

現在の城域となっている大阪城のすぐ近くにある立地の今福砦は、寝屋川（当時は大和川）の対岸にある鴫野砦と共に大激戦が行われた地として有名です。

冬の陣では豊臣方が大野治長の武将・矢野正倫と飯田家貞、先に触れた鴫野砦には井上頼次を配し、徳川軍に備えたとされます。

そこに冒頭で触れた徳川方の佐竹軍が攻撃し陥落させますが、一時は豊臣方の木村重成、後藤又兵衛が救援し、盛り返しますが再度、徳川方の銃撃にあい撤退を余儀なくされたと日本城郭全集にも取り上げられています。

現在は完全にあたりは都市化、宅地化され遺構は残りません。大阪平野の中心部でもあり、特に高低差もなく、戦闘施設を作るのに適した環境とは思えませんが、往時は一面水田の湿地帯で、人馬が自由に移動できるエリアも限られた場所だったとされます。

今福砦の正確な場所も不明で、見どころは決して多くはありませんが、鴫野砦と合わせて街を散策してみると、都会の中心部で歴史散策ができる幸せを感じることができ、個人的にはそこそこ楽しめた城跡です。