山内上杉氏、重臣の大石駿河守が守備した城跡
JR東秋留駅の北東、直線距離で200メートルほど位置にある二宮神社。
諸説あるようですが、日本城郭大系によると武蔵七党の一つ西党庶流、二宮氏の城館があったと考えられています。
戦国時代初期には山内上杉氏の重臣・大石駿河守が守備していたようで、同族の扇谷上杉定正に落城させられたと記されています。
大石氏の二宮城は南に直線距離で2キロ弱の位置にある高月城ではないかという説もああるようです。ただし現地の解説板によると、境内から14世紀の豪族居館跡が出土したそうなので、なにがしか有力者の館であったことは間違いないようです。
その後の歴史は触れられていませんが、先に触れた高月城へ大石氏が入り、その後、後北条氏が大石氏を含んでこの一帯を押さえますが、その当時の痕跡が発見されていないということは、恐らく高月城へ城主が移動したことで、二宮城の必要性が失われて廃城になったのではないでしょうか?
現在の二宮神社は遺構を見学することは出来ませんが、高台で南側は「崖」と呼んでいい険しい地形。
さらに道路を挟んで池があるのですが、おそらくこれは当時の堀跡と思って間違いなさそう。
ありがたいのは文中に記載しましたが解説板を設置して頂き、なんとかここが城跡だったことを認識できること。
境内に資料館(無料)がありますが、こちらには縄文期などの土器中心の展示で、戦国時代のものや資料は残念ながらありませんでした。
天気のよい日に、ここから南側の高月城、滝山城にかけていくつか城跡が並びますので、足腰に自信のある方は歴史散策をされてみてはいかがでしょうか。
※高月城にかけて一部の道は歩道が極端に狭いので注意をしてください。
所在地
東京都あきる野市二宮