細川両家の争いで、三好山城守が陣を置いた城跡

南海・泉大津駅の東側口に伸びる大通りを真っ直ぐに進み穴師（あなし）小学校を目指します。その小学校の東側、向い側にあるJAの駐車場前付近に苅田（かりた）城の石碑が設置されています。

その石碑裏面には「苅田城は中世に平城として造られたもので歴代寺田氏の居城となる」とのみ記されています。

日本城郭大系には簡潔にか触れられていない当城ですが、日本城郭全集の方にもう少しだけ詳細な歴史が説明されていますので、そちらを参考に紹介していきます。

苅田城は別名を池浦城と呼ばれ、享禄4（1531）年に細川両家が争った際、細川晴元の家臣・三好山城守が陣を置いて摂津遠里小野に出兵したとあります。しかし、寺田氏についての記載は全くなく、その後廃城時期など歴史も不明瞭な城跡です。

苅田城碑近くにあった穴師山薬師寺の由緒書には、このあたりは天正13（1586）年に豊臣秀吉が紀州攻めで根来寺方の薬師寺を焼き払ったと記載されているので、その頃は恐らく根来方の砦として機能していたのではないでしょうか。あくまで個人的な推測にすぎませんが・・・

現在、あたりは宅地化され遺構はなく、地形も改変されているでしょうが、現在の苅田城跡から中世の城砦が置かれたことも想像しずらいですが、地図を見るとこの一帯は水路も多く海にも近いことから、往時は湿地で攻め方にとっては、攻めづらい城砦だったのかもしれません。

泉大津駅からもそんなに遠くはありませんし、季節や天候に左右されずに訪問可能な城跡ですので、近くに寄られる機会があれば、訪問されてみてはいかがでしょうか。