有名観光地に眠る戦国の爪の痕

2010年9月に初めて訪問した深大寺城ですが2012年1月に再訪問。ページ内容も若干リニューアルしました。

東京調布市の深大寺は「そば」などでも有名な観光地ですが、その深大寺と隣接する「水生植物園」にその深大寺城は存在します。

深大寺城の歴史背景ですが、築城者など詳細なことは不明なようですが、扇谷上杉氏が、関東各地に勢力を伸ばした後北条家に対し、江戸城を奪回するために、扇谷上杉朝定が重臣の難波田弾正広宗に命じ、この深大寺城を増築したそうですが、後北条家の氏綱はこの深大寺城を迂回し、直接朝定のいる河越城（現埼玉県）を攻撃し、朝定は松山城（埼玉）に敗走したそうです。

その後は、この地域も後北条家の支配下に入りますが、軍事的価値を失った深大寺城は事実上の廃城となったと言われているそうです。

現在、城跡は一部土塁や空堀も復元され、東京都心部からも近い城跡としては遺構を楽しめる、有数の城跡だと思います。

復元された空堀は一郭と二郭の間が明瞭に残りますが、公園としての安全性確保という観点でしょうか。やや浅くなっています。

東京で城巡りをしていると必ず歴史背景に登場する扇谷上杉氏ですが、案外、後北条氏に改修されずそのまま上杉時代の面影を残す城郭は稀有な存在だと思います。

この深大寺城はまさに、扇谷上杉氏が後北条氏と戦うために用意した、扇谷上杉流の軍事要塞ということで歴史背景を思い浮かべながらの散策は初めて訪問した時の比ではないくらいに楽しめました。

この深大寺城のある水生公園は無料で入場できますが、定休日や時間制限などがありますので、事前に調べて出かけられることをオススメします。公式サイトが見つからないようですので、「みたかナビ」というサイトのURIを参考までに明記させていただきます。
「みたかナビ」さんのサイトへ