東秋留駅付近に土塁を残す詳細不明な城館跡

JR東秋留駅付近にはいくつか城館跡と伝わる場所が集中しており、この法林寺館は小川城跡と伝わる宝清寺から東に直線距離で300メートルほどしか離れていない場所。

日本城郭大系にも登場する城館ですが、城主や築城時期など詳細なことは伝わっていないようです。
ただ城郭大系の見解としては南側に直線距離で700キロほどの位置に高月城。さらにその南側には滝山城と大石氏、後北条氏の勢力下にあった城があるため、なんらかの関係性があるのではと結ばれています。

これは個人的にも同様。北側には二宮城と同じく大石氏の勢力下にあった城館があったと考えられているので、独立したものと考えるよりは、彼らを助ける存在であったと考える方が自然です。

法林寺館はその名の通り、現在の法林寺にあったと考えられていますが、石碑や解説板のような城跡を示すものは全くありません。
しかし隣接する寺前公園の隅にしっかりとした土塁が残されていることは嬉しいこと。城郭大系ではさらにその土塁の外側にある水田が堀跡と記されていますが、現在周囲は住宅地や、すぐ近くにファストフード店などの商業施設があるためその面影は残念ながら残っていません。

土塁も法林寺境内、公園内含めて存在することも、碑も用意されていないためうっかり見過ごしてしまう危険性もあるので、訪問の際は忘れずに見学をしたいですね。

法林寺館だけだとすぐに見学も終わると思いますので、文中に登場した他の城跡と併せて散策されることをおススメします。