一色伊予が城主とも伝わる町田駅近くの城館跡
小田急町田駅から北に直線距離2キロほどの位置に菅原神社があります。
この付近は南北朝時代、鎌倉幕府時代に執権だった北条高時の子、時行が後醍醐天皇に反発し挙兵。
鎮圧にあたった足利尊氏の弟・直義と一戦を交え、一時はそれを破り鎌倉を占領した「井出の沢の戦い(1335年)」があったとされ、境内にはその記念碑が設置されています。(管理人は2018年の1月3日に訪問、多数の初詣客に諦めて確認せず帰宅しています・・・)
※時行はその後20年ほど後に、次は後醍醐天皇の南朝方の武将として再び足利軍と激突、敗れて処刑されたとされます。
その「井出の沢の戦い」があった菅原神社の北、直線距離で200メートル弱ほどの住宅地に「本町田おやしき公園」という自動公園があり、どうやらその付近が「殿ノ城」跡ではないかと考えられています。
日本城郭大系によると、新編武蔵国風土記稿に「御屋敷ともいう」と記されているとされ、この公園も代々その名残が伝わり「おやしき」の名前が残された例ではないかと思います。
城主や先の「井出の沢の戦い」との関連性は全くわからないでそうで、一説には一色伊予なる武将が城主であったとも伝わるそうですが、これも確かなものではないようです。
遺構も石碑や解説板も設置されていませんが、このおやしき公園の周囲を歩くと、峻険な台地にあることがわかり、中世に何らかの城館があったとしても何ら不思議ではない場所です。
殿ノ城目当てに訪問されても特に見どころなどがありませんので、冒頭で触れた菅原神社と併せて、天気の良い日に町田駅からハイキングがてら徒歩で訪れてみるのもいいかもしれません(駅から菅原神社までバスも出ています)。
所在地
東京都町田市本町田1143-5
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【神奈川中央交通バス】野津田車庫 or 鶴川駅行き 町田駅~菅原神社前料金 片道200円 所要時間 約10分ほど
【入館料】0円