武田信玄の滝山城攻めに対抗した北条方の城砦
廿里砦(とどりとりで)は、JR高尾駅の北側に出るとすぐに左正面に丘陵地が見えますが、この一帯に存在したとされる城塞です。
永禄12(1569)年、武田信玄が滝山城を攻撃。その際に、信玄は拝島に本陣を敷いたとされますが、別働隊として郡内(山梨県都留、大月などの地方)の小山田信茂がこの廿里を経て、滝山城を攻撃しようとしたため、北条氏照の武将、布施出羽守、横地監物吉信、中山勘解由家範らが砦を構え小山田軍に対抗したとされます。
この戦い自体は、小山田軍の勝利に終わり、結果、後北条氏の滝山城は落城寸前まで追い詰められらとされます。
その結果、廿里砦から見れば北東の位置にある滝山城から、西北の位置に八王子城を築き、この地方の守りを固めなおすことになったとされています。
高尾駅から多摩森林科学園へ向う道に、廿里古戦場としての案内板が設置されています。
白山神社から森林科学園を目指す途中に堀切があるらしいという情報がありましたが、本来の廿里砦自体は森林科学園と考える方がしっくりくるので、管理人は入園料を払い科学園内を散策してみました。
多くの場所が立ち入り禁止となっているほか、実際に、道のいたるところにイノシシの跡を確認できましたので、整備された園内の山道ではありますが野生動物への危険は意識して回りたいところ。
園内の西側が廿里砦の本丸と考えられそうでしたので、そのあたりを中心に散策してみましたが、城塞の遺構と明確に言えそうなものはありませんでした。
ただ園内のポイントで言えば40番の休憩所が一番の高所になっているようで、かつこの南側に、白山神社もあることから恐らく何らかの軍事的な役割を果たしたのではないかと個人的には感じています。
30、79のポイントもこの山の険しさを感じ取れるポイント。武田軍の急襲に備えての陣城としての性格が強いでしょうから、やはり山本来の地形を生かした、またそれが軍事上生かせると判断されてこその廿里砦なんだと思います。
城目当てで訪れる方はほぼいらしゃらないと思いますが、訪問したのは平日にも関わらず、それなりのハイカー様の姿も見られ、かつての古戦場も今では自然に癒される空間と変わっていました。
訪問に関しては、やはり山ですので夏場は避けて、天気のよい日に動きやすい格好で訪問されることをオススメします。
所在地
東京都八王子市市廿里町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【入館料】大人300円 子供50円(高校生まで)(※4月は大人400円 子供150円)