小牧・長久手の戦いで秀吉方として利用された城砦跡

名鉄の味岡駅周辺には小牧・長久手の戦い（1584年）で使用された城砦群がいくつか存在し、岩崎山砦も同様に、その戦いで羽柴（まだ豊臣姓を賜る前です）秀吉方の砦として利用されました。

城主は斎藤道三に仕え、その後、織田信長、秀吉と仕えた稲葉一鉄とその子・貞通、重通。さらに孫にあたる典通が守備したと日本城郭全集に紹介されています。

岩崎山砦は味岡駅の西側の熊野神社にあり、この山は岩肌が特徴的ですが、後に名古屋城の石垣にもここの岩が利用されたと伝わります。

写真でも紹介している五枚岩は天然記念物にも指定さており、城跡としてでなくとも見所のある小山になります。

岩崎山砦の廃城年などについての記述はありませんでしたが、おそらくは小牧・長久手の戦いが終了後に利用目的もなくなり、他の関連城砦群とともに廃城になったものと思われます。

現在、岩崎山砦がある熊野神社は標高54.9メートルで、比高も20メートルほどの高低差があります。石碑と解説板が用意されており、神社の麓に岩崎会館がありその脇に設置されています。

城跡のあった山頂ですが、一部に濠跡と思われし地形を確認できますが、資料などには明記されておらず、確信はもてませんでした。

訪問時は青春18切符で京都から岐阜へ向かい、そこから名鉄に乗り換えて犬山城から小牧山城まで回りましたが、文中でも触れたとおり、多くの城砦跡が集中する一帯なので、お城ファンの方には様々な楽しみ方ができるエリアだと思います。