石山本願寺が石山合戦で用いた51支城の一つ

場所は少しわかりづらいですが、地下鉄もしくは大阪モノレールの大日駅の北側。地図通り、高速道路の高架脇の住宅街に「藤の森」と刻まれた石碑がある一帯が城跡と考えられています。

大日（だいにち）砦は織田信長と対立した時代の石山本願寺の支城の一つだったとされます。

日本城郭大系の前身・日本城郭全集に歴史背景が記されていますので、それを参考に大日砦の歴史背景を紹介します。

石山合戦（1570～80年）で、石山本願寺は51箇所に砦を構え信長軍と戦ったとされ、この大日砦もその一つになります。その合戦では、紀伊出身で熱心な一向宗徒だった本願寺軍の鈴木飛騨守重幸が守備し、信長軍を悩ませたとされます。

廃城時期などは明記されていませんが、恐らくは石山合戦終了と同時にその役目を終えたものだと思います。

現在、まず冒頭で触れた「藤の森」の石碑は私有地の中にあり、敷地外からその存在を確かめることしかできません。また周辺は完全に開発されてしまっており、遺構や地形なども往時を偲ぶことが非常に難しい場所となっています。

大日砦だけでは消化不良になってしまう城跡ですが、公共交通機関で城めぐりされる方にとっては、モノレール、地下鉄、また少し歩けば京阪と便利な場所ですので、他の城跡に合わせて訪問されるのがオススメです。