吹田氏の居城があったと伝わるアサヒビール吹田工場
阪急、JR各線の吹田駅が最寄駅になるアサヒビールの吹田工場付近に足利尊氏に属した周防次郎四郎親家が建武3(1336)年に「水田城」で敵を破ったと日本城郭大系に説明されています。誰と戦ったか明記されていませんが、同年湊川の戦いで楠木正成が戦死、南北朝の戦いも佳境に入っていたため、恐らく楠木軍と戦ったのでしょう。
その後永享年間(1429~41)に吹田河内守重通が吹田城には居たと摂津志に記されているそうです。さらに応仁の乱(1467~77)では東軍に所属、戦後の文明14(1482)年、足利幕府管領の細川政元が摂津国人一揆鎮圧を行い、吹田伊賀守時通は敗れたとのみ城郭大系に記されています。
しかし、吹田氏は滅んだわけではないそうで、さらに大永6(1526)年、細川高国と晴元の同族争いが起きると、晴元軍に吹田氏は与し吹田に陣を構えたそうですが、高国軍に敗れ討死。以後、吹田城も廃城になったとされます。
吹田城がどこにあったのか明確な根拠はないようですが、冒頭で触れたアサヒビール吹田工場や、道路を挟んで地形的にはそちらが高所になる片山公園付近と推定されています。
しかし遺構や、解説板、石碑などは全く存在しません。片山公園に登ると、隣接する大和大学キャンパスなどに比べてかなり高所で、切岸のように見える地形もあり、アサヒビール工場よりも城があったように見えますが、どちらもかなり改変されていると思いますので、往時は工場跡地も丘陵地だったのかもしれません。
大阪都心部からもアクセスがよく、片山公園も整備された近代的な公園ですので、季節、天候を問わずに気軽に訪問することが可能です。
所在地
大阪府吹田市西の庄町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~新大阪駅 料金 片道14,450円 所要時間 約2時間26分ほど
【JR在来線】東海道山陽本線 新大阪駅~吹田駅 料金 片道160円 所要時間 約5分ほど
【入館料】0円