名門豊島一族の城砦があった飛鳥山公園
各線王子駅に隣接する飛鳥山公園。JRのホームから見える小山が飛鳥山城跡です。
日本城郭全集によると桓武平氏の流れを汲んだ秩父党の出である豊島一族の滝野川氏の居城があったとのみ記載されています。
飛鳥山城の近くには滝野川城もあり、こちらもその名のとおり滝野川氏の居城。隣駅の上中里駅にも、滝野川氏一族の長である豊島氏が現在練馬区の石神井城を扇谷上杉氏の重臣・太田道灌に追われ、逃げ込んだ城である平塚城があり、この一帯は豊島氏が統治していて、その豊島城砦群のひとつがこの飛鳥山城であったのでしょう。
先ほど登場した太田道灌によって豊島一族は滅ぼされてしまいますので、その同時期にこの飛鳥山城も同様の運命を辿ったものだと思います。
何も記載はありませんが、その後の扇谷上杉、山内上杉時代、また後北条氏の時代などにも何らかの施設が築かれていたとしても不思議ではない場所ですが、史料として出てくるのは徳川幕府が誕生し、さらに時代が過ぎた8代将軍吉宗の頃。
桜を植え、それ以来この飛鳥山は桜の名所となったとされます。
城跡としての碑などは全く用意されていませんが、飛鳥山の碑というものが設置されています。この碑は元文2(1737)年に設置された歴史あるものだそうです。
またこの飛鳥山公園内には日本資本主義の父とされる渋沢栄一氏の別荘が残されていたり、古墳など城跡としては正直遺構らしき遺構や、先にも触れた通り石碑などの類もなく少しフラストレーションのたまる場所ですが、公園としてはかなり見所のある場所です。
城郭跡としてより、天気のよい日にゆっくりと過ごしたい公園です。
所在地
東京都北区王子1-1-3
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR山手線・京浜東北線】新宿駅~田端駅(乗換え)~王子駅 料金 片道220円 所要時間 約24分ほど
【入館料】無料