室町時代の武将・鈴木九郎の屋敷跡

新宿駅から徒歩で訪問できる範囲。地下鉄（都営大江戸線、メトロ丸ノ内線）の中野坂上駅前、山手通りを南に300メートルほど歩くと成願寺があり、ここが室町時代の武将・鈴木九郎の屋敷跡と伝わります。

九郎は元は和歌山の熊野の武将だったらしく南北朝時代には南朝方として戦ったものの、武将に嫌気がさした九郎はこの地で馬の売買を行い、中野長者と呼ばれるほどの豪商として暮らしたそうです。

現在は遺構はないものの、成願寺そのものが九郎の建立した寺だそう。境内には屋敷跡の石碑と、中野長者の案内板が設置されています。

また寺の入り口には江戸時代の佐賀県の大名・蓮池鍋島家の墓所を示す案内板とその墓所も残ります。建造物には特に史跡としての価値はないようですが、区名こそ「中野区」であるものの新宿駅からも近い距離である程度の歴史的な背景がしっかりとしている城郭・屋敷跡を楽しめるというだけでも一度訪問してみる価値はアリ。

個人的にあまり墓地には遅めの時間に訪問することは気がひけるのですが、石碑や中野長者の案内板などはいずれも墓地の入り口に設置されているので、同様の考えの方は明るい時間に訪問されることをオススメしておきます。