静かな池に眠る悲劇の伝説

2011年7月に二度目の訪問をしました。

西武池袋線の石神井公園駅から徒歩5分ほどの距離にある石神井公園。
この公園内に存在する「石神井城」は豊島氏の居城として鎌倉時代から存在したと伝わります。

城の主な歴史としては、室町時代の後半に豊島氏は栄華を迎えたようですが、扇谷上杉氏の太田道灌と対立し、「長尾景春の乱」で先の太田道灌に攻められ落城。城主・豊島泰経はこの地で非業の死を遂げ、その死を悲しんだ姫君が三宝池に身を投じたという悲しい伝説が残されていますが、これは史実とは異なるようで少なくとも泰経は石神井城を脱出。最後は横浜の小机城にまで逃げ延びた後は、泰経は行方知らずになったようで歴史上から豊島宗家は姿を消したそうです。

城跡の背後に三宝寺を置くと目の前に三宝池が広がりますが、その池の対岸側には先に触れた池に身を投じた姫君の姫塚、その近くには豊島泰経のものとされる殿塚があります。（先に触れたとおり豊島泰経はこの地では生涯を終えていないそうですが。）

現在では城跡の主要な箇所はフェンスに囲まれて、フェンス越しに土塁や空堀の跡を見学することしか出来ませんが、石神井公園自体静かな自然公園なので姫塚、殿塚また三宝寺までを合わせて、都会の喧騒を忘れて散策したいスポットです。