日本の城巡り「MARO参上」

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宮城氏館(東京都足立区)

岩槻太田資正に仕えた宮城氏の居館跡

 

公共交通機関の場合、少しアクセスが不便な場所にあり、距離的には日暮里から日暮里・舎人ライナー(にっぽり・とねりライナー)で扇大橋駅まで行くのが近いですが、管理人はJR王子駅から2.5キロほど徒歩で訪問しました。

隅田川と荒川という大きな河川の中洲のような地形にある住宅街中の「氷川神社」が城(館)跡と推定され、本堂横の小さな祠の脇に石碑が設置されています。また本堂の由緒書きにも宮城氏のこちとが触れられています。

まずは宮城氏館の歴史を日本城郭大系を参考に紹介すると「新編武蔵国風土記稿」に「村の西荒川の岸にあり、或は城跡とも呼ぶ、宮城宰相が居住の所なりと言~(続)」と記述されているとのこと。

宮城氏は豊島氏の庶流で、豊島氏が没落後は、宮城政業(まさなり)が岩槻城の太田資正(すけまさ)に仕えたとされるほか、内閣文庫(現:国立公文書館)に「豊島宮城文書」が31通収納されているそうで、宮城氏の後北条氏など有力大名達との関係も知ることができるそうです。
国立公文書館のオフィシャルサイトへ

この後北条氏との関係ですが、先の太田資正は、後北条氏に属したり、また離反し戦ったりの歴史を繰り返したとされますが、宮城氏は泰業の頃には後北条氏に属して、天正18(1590)年の小田原の役で後北条氏と運命を共にしたと氷川神社の由緒書きに記されています。

宮城氏がいつまで現在の氷川神社付近にいたのか、資料によって見解も異なるようですが、日本城郭大系では江戸時代に入ってからも二代将軍・徳川秀忠の頃に呼ばれ、以後は旗本として続いたと記されています。

現在は住宅地として整備され、遺構は全く残りません。地形も当時と同じではないでしょうが、現在は王子駅からもほぼ平らな地形が続きます。ただ、冒頭でも触れた二本の大型河川に囲まれている地形のため、軍事上また、水上交通の要所としても重要視された場所であることは想像に難しくありません。

特に見所がある城跡ではありませんが、管理人同様に王子駅から徒歩で訪問を考えておられる方は、途中の「豊島五丁目」交差点を氷川神社と反対の西へ入った住宅街にある「清光(せいこう)寺」は宮城氏の一族となる豊島氏の豊島清光館があった場所とされますので、こちらも遺構などは残りませんが、まとめて訪問されることをオススメします。

所在地

東京都足立区宮城

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR埼京線・京浜東北線】新宿駅~赤羽駅(乗換え)~王子駅 料金 片道210円 所要時間 約23分ほど
【JR山手線・京浜東北線】新宿駅~田端駅(乗換え)~王子駅 料金 片道210円 所要時間 約24分ほど
【入館料】無料

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