善福寺公園付近に存在する3つの城塞伝説
善福寺(ぜんぷくじ)城の説明は、日本城郭全集が詳しく説明されています。
善福寺城の跡とされる場所は4つあるそうで、一般的には荻窪八幡神社だとされるそうですが、城郭全集ではそれは誤りだとしています。
そして以外の3つは、全てそれぞれ存在したとされ、1つはその500メートルほど南の丘陵地だとしています。ここにはかつて空堀もあり、城があったことは確実とまで記されています。源頼義が蝦夷征伐の帰りに、八幡社を築き、その南方のこの地に、城を構えたそうです。
また、この城の歴史は明確でないそうで、後世に北条氏綱が、扇谷上杉氏の拠点だった河越城と深大寺城を分断するために、築城されたとも伝わるそうです。
そして2つ目はその北側にある、杉並区立三谷小学校近くにある道灌橋公園付近。文明9(1477)年に起きた江古田・沼袋原の戦いで勝利を収めた太田道灌がさらに石神井城を攻める前日に陣を置いたと伝わるそうです。
最後の3つ目は善福寺公園の付近。現在池が2つ(上下)ありますが、ボートなどもある池(上)でない方(下)の東側の台地だそうです。ここは先の江古田・沼袋原の戦いで太田道灌に敗れた豊島氏の傘下にあった豪族の城とされています。
上の池の西側には「遅野井の滝」があり、ここは源頼朝が奥州征討(奥州藤原氏との合戦)の際に駐屯地にしたそうで、合戦後、再びこの地に戻ったものの、干ばつで軍勢は渇きに苦しんだとされます。その際、地面を掘り、ようやく水が湧いたことから「遅い」との意味で名づけられたそうです。こちらは解説板も設置されています。
さて、その3つの善福寺城。
1つ目の荻窪八幡神社付近以外を訪れましたが、どこにも石碑や城の存在を示す解説板はありません。
2つ目の道灌橋公園付近は、やや周辺では高台になっている上、さらに北1キロ程度の位置に攻撃対象の石神井城があるため、陣を置くには適した場所だと思います。
3つの中で散策としては、3つ目の善福寺公園が最も快適に楽しめると思います。雰囲気はまるで先に触れた石神井城のある石神井公園を彷彿とさせてくれます。
いずれも、最寄り駅からは弱冠距離があり、管理人はJRの吉祥寺から荻窪に抜けて歩いてみました。2016年11月に訪れましたが、以前東京在住中に訪れた戦国大名・今川氏真の菩提寺である観泉寺なども近くであったことがたまたま分かりました。
少しアクセスは不便かもしれませんが、このように周辺にも多数楽しめるスポットがありますので、それらと合せて、天気の良い日にウォーキングがてら歩いてみると楽しめると思います。
近くのオススメすぽっと
吉祥寺駅から程近いラーメン屋「珍来亭」さん。店舗は狭いですが昔ながらの「中華ソバ」「油ソバ」を本当に安い価格で味わえます。お味の方も素朴な味ですがとても美味しいです。
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所在地
東京都杉並区善福寺3
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【入館料】0円