右馬頭の屋敷とのみ伝わる練馬の中学校
右馬頭(うまのかみ)屋敷は日本城郭大系では別名、屋敷山として紹介されている城砦跡で、豊島園駅の東側、練馬駅からだと北側に位置する練馬区立開進第二中学校の位置にあったとされています。
練馬城の東側に位置し、その間には2筋の谷があるとされますが、現在はその地形を確認することも難しいほどに宅地化が進んでしまっています。
また城主も右馬頭と伝わるのみで、新編武蔵国風土記稿にも「その姓氏及何人たる事を伝へす」とどんな功績を残した人物なのかも不明のようです。
ともあれ2015年11月に機会がありましたので、この右馬頭屋敷跡へ訪問してみました。
練馬駅から徒歩で向いましたが、十分に徒歩圏内。このコースだと本当にどこにでもある住宅街の中の公立校としか見えず、往時の面影を感じることは全くできません。また屋敷跡を伝える石碑や解説板も設置されていませんので平日に訪問される方は写真撮影などは注意が必要な場所です。
開進第二中学校全域が屋敷であったかは不明ですが、もしそうだとするとかなり広大な敷地で、それなりの実力者であったのかとも想像を掻き立てられます。
練馬駅からそのまま中学校を通りぬけると、北側に運動公園が広がります。ここで急に地形は下りを見せ、さらにその北側には川が流れ、こちらサイドから見るとここが軍事上意味を持っていたことを感じることができます。
その運動公園を背に中学校を正面に見た際、右側の住宅地に不自然に窪んだ比較的広大な跡を確認できます。これらは後世の人為的なものか、当時からの名残であるかは不明ですが、北側の川を天然の堀とし、この窪んだあたりが恐らくは切岸のような役目を果たしていたのだろうなぁと感じることができました。
管理人にとっては20代で初めて上京した頃、まだバンドマンを目指していた時期で、電車賃もなくずっと西側のひばりヶ丘駅から、毎日自転車でこの付近を抜けてアルバイト先のあった池袋、音楽学校のあった中目黒まで通った懐かしい風景に感傷的にはなれましたが、残念ながら城郭跡としてはオススメ度も低く、この近辺であれば石神井城が知名度も高いですから、それと合せて機会があれば訪問される方がいいかと思います。
危険な箇所もありませんので、天候、季節を問わずに軽装で訪問が可能な都内の城館跡です。
所在地
東京都練馬区練馬2
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【入館料】0円