日本の城巡り「MARO参上」

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八幡塚砦(東京都大田区)

武田信玄との交戦伝説のある蒲田付近の城砦跡

 

永禄12(1569)年に武田信玄が小田原の後北条氏を攻めた際にこの地方の領主だった、後北条方の行方弾正明連(あきつら)が現在の六郷神社に砦を築き戦ったと伝わる城砦跡です。

しかし、実際に武田氏が通過した可能性は薄いそうで、戦闘を行った事実はないと考えるのが最近の学説らしいと日本城郭大系に説明されています。

最寄は京急の六郷土手駅の北側。京急蒲田駅から南へ2駅の位置ですが、その京急蒲田駅の北側の円頓(えんとん)寺には行方弾正直清の居館である行方氏館があったと伝わりますが、現代の地図で見ても多摩川に接した岬のような地形ですので、武田信玄と戦った事実がなかったとしても、軍事的な不安感が高まる中、本拠地の支城的な役割として八幡塚砦は築かれたのかもしれません。

ところで行方氏館の弾正直清と、八幡塚砦の弾正明連は全く同じ時期の話ですから同一人物だと思われます。

現在、城砦跡を示す遺構やはなく、周辺は国道15号線や、住宅地として開発されており往時を偲ぶものはなにも残されていません。日本城郭大系では微高地とされていますが、管理人にはただの平坦地に感じ、大系が発行された頃よりさらに開発が進んでいるのかもしれません。

また境内には城砦を示す石碑や、解説板も設置されていません。唯一神社の由緒書に「八幡塚」の名前が記載されていた程度です。

積極的に城郭散策として訪問するような城跡ではありませんが、都心部からも比較的アクセスがよく、また蒲田周辺には文中に何度か登場した行方氏館以外にも戦国時代の城館跡が集まっていますので、まとめて週末にお手軽に歴史散策されるにちょうどよい街です。

所在地

東京都大田区東六郷3

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR線】山手線 新宿駅~品川駅 料金 片道200円 所要時間 約20分ほど
【京急本線】品川線 新宿駅~京急蒲田駅(快特停車駅・乗換え)~六郷土手駅 料金 片道230円 所要時間 約15分ほど
【入館料】0円

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