豊臣氏を牽制する目的で徳川家康が築城
篠山城へ向かうには大阪方面から向かえばJR福知山線に乗り、兵庫県篠山市のJR篠山口駅で降りますが、徒歩では少しきつい距離のためレンタサイクルが交通費を抑えたい派にはオススメです。
日本100名城の一つ篠山城は慶長14(1609)年に大阪城の豊臣氏に睨みを利かせる目的で徳川家康が天下普請で築城しました。
普請の総奉行には姫路城の池田輝政、縄張りは築城の名手、当時三重の津城城主だった藤堂高虎が担当し、初代城主にはかつて織田信長に抗戦した近くの波多野氏八上城の、当時の城主だった松平康重が務めました。
この初代城主・康重は大阪冬・夏の陣(1614・1615年)に出陣し、当初の豊臣氏を牽制する目的を果たしますが、その後篠山城は松井松平、藤井松平、形原松平と松平一族ではあるものの、城主を転々とし、寛延元(1748)年に丹波亀山城から青山忠朝が入ると幕末まで青山氏が統治を行いました。
天守閣は築かれませんでしたが、天守多聞(現在、青山神社になっている本丸)の3隅に二重の小天守を設置し、それらを渡櫓で連結した連立式の天守がかつては存在したと日本城郭大系には記されています。
二ノ丸にかつてあった大書院が平成12(2000)年に再建されていますが、現存する建築物は存在しません。
大書院は中も見学でき、往時の様子を伺うことができます。
北側の大手門側は観光客の方も多いですが、反対の南側は観光の方も少なくなります。しかしそちらには南馬出や土塁も残ります。
そちら側に向かえば天守台もよく見えるのですが訪問した2012年11月初旬は三ノ丸周辺の工事のため、遠くから写真を撮るのが精一杯でした。
一見、見所が100名城としては物足りなく感じますが、じっくりと城跡を散策すると石垣や水堀など多くの遺構に目を奪われます。
天守台の上からは八上城のある通称「丹波富士」こと高城山もよく見ることができます。またたまたまでしたが、訪問時は入場料が無料だったため、とてもお得感を味わえたました。大書院だけでなく周辺の城域をゆっくり散策したい城跡です。
所在地
兵庫県篠山市北新町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~新大阪駅 料金 片道14,250円 所要時間 約2時間26分ほど
【JR在来線】JR東海道線 新大阪駅~福知山線 川西池田駅(乗換え)~篠山口駅 料金 片道1,110円 所要時間 約1時間20分ほど
【入館料】大書院 大人400円、高校・大学生200円、小・中学生100円(天守台・本丸・二の丸は無料)