幕末まで続いた青山氏分家の陣屋跡

JR立花駅の北口、線路沿いに西へ進んだあたりに水堂（みずどう）陣屋があったとされます。

寛永年間（1624～44）に尼崎城主の青山幸利の弟・幸通が青山氏の分家として陣屋を築くことを認められ、幸利系の青山氏はその後、宮津藩等を経て、郡上藩へ移り幕末を迎えましたが、幸通系青山氏は幕末まで水堂を中心に統治をし続けました。

日本城郭大系には建造物が現存し、写真も掲載されていますが、訪問した2017年1月末の時点では残念ながら何も遺構は残されていません。

現在は民家の塀に「水堂代官屋敷」の看板だけが掲げられ、ここがかつて陣屋であったことを示すのみとなりました。

周辺も完全に近代的に宅地化され、当時の面影を感じることは難しい状況。それだけに季節や天候に左右されずに訪問することは可能です。

水堂陣屋のみを訪問すると消化不良気味になると思いますが、同じ立花駅エリアには戦国時代、織田信長に反旗を翻した荒木村重の起こした有岡城の戦い（1578～79）で尼崎城を攻撃した拠点で、戦後、村重の家臣が大量に処刑された地としても有名な七松城があります。

大阪市、神戸市都心部からのアクセスもいいので、それらを合わせて天気の良い日に歴史散策を気軽に楽しむにはオススメのエリアです。