播州一の名城と謳われた城跡伝承地

JR東加古川駅の北東の位置にある野口神社付近が城跡推定地とされています。

現在遺構は残らず、この野口神社の入り口に、神社の由緒書きの中に「野口城」についても触れられていますが、「近くには秀吉により天正6（1578）年に攻め落とされた野口城がありました」とあり、野口神社が城跡地に建立されたかも確定ではないようです。

野口城についての歴史は、日本城郭大系には次のように紹介されています。

「別所長治記」では「播州一ノ名城」と記され、羽柴秀吉が播磨攻めの重要拠点と見ていたとのことです。
※ 野口城は別所方の属城とされています。

城主は別所氏の与力だった長井長重とされ、冒頭でも触れましたが天正6（1578）年4月3日から始まった、秀吉方の大軍を一手に受けて奮戦したとされます。落城しましたが、3日に渡る猛攻に対し勇敢に戦ったようですね。

現在の野口神社付近は平坦な地形で、特に城砦が置かれるのに適しているとは思えないですが、往時は周囲は沼地で防御にも優れていたようですね。

少し話題がそれますが、2012年8月の訪問でしたが、神社入り口付近にミツバチでしょうか？巣があるようで大量に飛び交っていました。スズメバチほどの警戒は不要なようですが、注意は必要ですね・・。

ともかく播州一とまで謳われた、かつての名城の名残も確認できないのは寂しいですが、石碑もなにもないため、せめて神社の由緒書きに「野口城」の名前を見つけることができ、多少は城跡伝承地に訪問できた気分にはなった場所でした。