日本の城巡り「MARO参上」

ホーム > 関東以東の城 > 神奈川県の城 > 海老名館(神奈川県)

海老名館(神奈川県)

相模武士として栄華を極めた海老名氏の居城跡

 

小田急の厚木駅北側1キロ強ほどの位置の住宅街にある、海老名氏霊堂付近に平安時代末期、村上源氏の一族が従五位下・相模守を賜った海老名有鹿が居館を持っていたと伝わります。

有鹿には子がいなく、武蔵七党の一つ横山氏から、季兼を養子に迎え以後、その子の尾張守季定が保元物語に登場するなど、海老名氏は大いに栄えたと日本城郭大系に説明されています。

その後、海老名氏は鎌倉時代は御家人として栄えますが、永享の乱(1438~39)で敗れた鎌倉公方・足利持氏に殉じ、表舞台からは消えていったとされます。

現在、城跡としての遺構は何も残されていませんが、霊堂には海老名氏についてと、その居館があったことを示す解説板が設置されています。それによると堂のある場所には往時、海老名一族の菩提寺・本樹寺(現在は廃寺)があり、今もその堂内には宝篋印塔(ほうきょういんとう)や、五輪塔が安置されているそうです。

周辺は完全に宅地化されてしまっており、往時の地形ではないと思いますが、恐らく元々、高地というわけではなかったようにも思えます。地図を見ると、西側に相模川が流れており、自然の堀の役割を果たしたのでしょう。また、この海老名館にくる前に、西の伊勢原にある同じ、横山党の一族・糟屋氏の丸山城を訪問していましたが、直線距離で7~8キロほどの位置で、恐らく両城は同族の拠点として連携することで両者の安全を確保していたのではないでしょうか。

2016年の5月に初訪問しましたが、ここは東京在住時代から存在は知っており、いつか行ってみようと思っていた城跡。念願叶っての初訪城だっただけに、個人的な満足度は高いのですが、恐らく、ここだけを目標に来られても、同じような満足度は得て頂けないと思います・・・

本厚木駅との間には厚木陣屋がある等、付近には他にも多くの城塞跡が残りますので、それらと合せて訪問されることをオススメします。

また東京方面から来られる際には、海老名駅からも2キロ弱ほどの位置のため海老名駅を利用される方が便利かもしれません。(ランチなどを取られる場合は、厚木駅の西隣本厚木か、東隣海老名駅の方が選択肢は多いと思います)。

所在地

神奈川県海老名市河原口

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【小田急小田原線】新宿駅~海老名駅(急行停車駅・乗換え)~厚木駅 料金 片道500円 所要時間 約50分ほど ※海老名駅からでも徒歩可能
【入館料】0円

写真ギャラリー