後北条氏家臣の諏訪氏の居城跡
神奈川県には同名の城が川崎市にも存在し(川崎の寺尾城はこちら)、両者「諏訪氏」が関与していると伝わるので、何らかの関係があるのか、それとも全く関係がないのか詳しいことは分かりませんが、こちら横浜市の寺尾城の歴史は以下のとおりです。
鶴見区馬場の観音山の標高は40メートルに満たないものの、谷や低湿地があった天然の要害だったと日本城郭大系は説明しています。
実際現地に行った感想としては、住宅地でとして開発され、アスファルト補整された歩きやすい道ですが、かなり傾斜の強い高台で、往時の要害ぶりは今も十分に堪能することができます。
城主は「新編武蔵国風土記稿」によると諏訪三河守の居城があったとされ、この諏訪氏は信濃の諏訪氏の支流だそうです。
後北条氏の傘下で、「小田原旧記」では相模衆十四家や、御旗本四十八番衆の一人として活躍したと伝わり、「小田原衆所領役帳」では江戸衆として、この寺尾に200貫文の所領があったとされています。
廃城時期などは明記されていませんでしたが、後北条氏系であったことから、恐らく天正18(1590)年の「小田原の役」で後北条氏と運命を共にしたのだと思います。
冒頭で触れた、川崎の寺尾城も、同じように後北条氏に属した諏訪氏が関与しているとされるので、個人的にも関連性を疑ってしまいます。
現在は高台の上にある住宅街の中に石碑が建てられ、「水道道」通りから石碑場所へ向かう途中にある、小さな馬場稲荷の解説板にも、寺尾城に関する記述があります。
遺構は「殿山公園」にあるそうで、事前のリサーチ不足でした・・・
この公園を見逃してしまいました。場所は、石碑の南側に位置しますが、横浜市鶴見区のウェブサイトに簡易な地図も用意されていますので、下記にリンクを貼っておきます。
横浜市鶴見区公式サイト
公共交通機関での訪問はバス停があるので、バスを利用するのが便利かもしれませんね。管理人には東横の菊名駅から、JRの鶴見駅まで徒歩で歩いていく最中に立ち寄りましたが、かなり距離はあります。先ほどの鶴見区のサイト内にも遺構のある殿山公園には、「鶴見臨港バス鶴01系統」で「殿山」バス停下車が近いとありましたのでご参考までに。
臨港バス公式サイト
肝心の遺構を見逃してしまったので、近くに寄る機会あれば再度訪問をしてきます。
所在地
神奈川県横浜市鶴見区馬場3
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【東急東横線】渋谷駅~菊名駅(特急停車駅) 料金 片道240円 所要時間 約19分ほど 【入館料】0円