播磨守護・赤松円心らが拠点にした山城跡
滝山城と言えば関東の城ファンは、東京八王子にある滝山城を連想される方も多いかもしれませんが、この神戸にある滝山城もなかなかの遺構を堪能できる戦国時代の歴史を経験した山城です。
場所は新幹線停車駅である、新神戸駅の真裏の山。神戸でも有名なハイキングコースとなっています。住宅の裏側に回り込むように登城口は設けられ、前半は山道ですが、整備もされ歩きやすい道が続きます。
頭上にロープウェイも走る観光地の一環ですが、徐々に道は険しくなり歩幅も狭くなっていきます。滑るととても危険なため、足元はしっかりとした登山用シューズがオススメです。
しばらく進んでいくと、明らかに土橋と思われしき地形や、所々に石積の跡を確認することができ、登山の疲れも癒えてきます。
さて、この神戸の滝山城ですが、中世城郭辞典によると、正慶2(1333)年、鎌倉幕府倒幕軍の中心的存在の一人でもあり、倒幕後は後醍醐天皇と決別し、足利幕府についた播磨守護・赤松円心の居城があったと「正慶乱離志」に記されているとされます。
さらに後世になり戦国時代には、松永久秀が当時の主君だった、三好長慶を招き宴が催された記録もあるそうです。この頃はつまり久秀も大和でなく、この神戸に影響力を持っていたのでしょう。
一度、永禄9(1565)年に淡路衆によって攻められ落城。その後、再び三好氏側の篠原長房が統治したそうですが、織田信長の影響が強くなると、滝山城も信長軍の支配下に。荒木村重の直下に入ったそうです。
最後はこの村重が、信長に反旗を翻した際、花隈城を信長に攻略される時に、一緒に攻撃を受け、天正7(1579)年に落城したそうです。
赤松氏、松永氏、荒木氏と城主を代えてきた滝山城ですが、おおよその城のベースは松永氏時代のものだと考えられるそうです。
さて、現在の滝山城の遺構に話を戻しますが、この城は本丸の高石垣等といった、シンボル的な遺構はありません。個人的には神奈川の津久井城と楽しみ方は似ているのかなと感じました。
とにかく全体をくまなく見て回る。郭跡などがしっかりと残っていますし、山城に慣れていらっしゃる方だとかなり楽しめる城だと思います。
新神戸駅から標識通りに登ってくるのが大手らしいので正規ルートだと思いますし、城内に完全に入ったところで、設置されている解説板付近には大堀切を確認できます。そのままコース沿いに行くと、写真などでもよく見かける石碑がありますが、その真裏にも二重堀切がしっかりと確認できますので、忘れずにチェックしておきたいですね。
新幹線停車駅の真裏に登城口があるという、城ファンにとってこれ以上ないロケーションですが、有数のハイキングコースといっても、しっかりとした山道ですし、夏場などは避けて、安全に史跡散策を楽しんで頂きたいと思います。
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新神戸駅と神戸市最大の繁華街三宮はわずか一駅。三宮エリアと呼んで問題ない元町のカレー屋「パルフェ」さんはチキンカレーのみのメニューですが、とても食べやすいスパイスの効いた、サラッとしたルーのカレーです。並盛500円というリーズナブルさも嬉しいですね。
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所在地
兵庫県神戸市中央区城山
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~新神戸駅 料金 片道14,670円 所要時間 約2時間44分ほど
【入館料】0円