大物崩れの舞台として有名な地にあった城跡
戦国時代初期に管領細川高国が戦いに敗れ、自害に追い込まれた、いわゆる「大物(だいもつ)崩れ」の舞台として有名な阪神線・大物駅付近にあったとされる大物城。
近くにある尼崎城と同一の物とする説もあるようですが、日本城郭大系によると、大物駅の南側。現在の大物主(おおものぬし)神社にかけてが城域とされています。
細川両家の争いとなった永正年間(1504~21)の紛争で、冒頭に触れた高国と細川澄元の抗争の代になると、尼崎が主戦場になり享禄3(1530)年に高国側が、薬師寺三郎左衛門が守った大物城を落としたとされています。
その翌年には、高国は天王寺、木津、今宮で、細川晴元側に敗れ、この大物へ落ち延び、隠れているところを発見され尼崎の広徳寺で自害させられました。
っこれも冒頭で触れたいわゆる「大物崩れ」ですが、駅北側すぐの道を西へ進んだとろこにある、派出所の隣に大物崩れの石碑と解説板が用意されています。
ただ残念なことに、他の都市部の城跡と同じく、この大物城も遺構などは残らず、また街自体、大阪・神戸といった大都市のベッドタウンということもあり開発され、かつて城があったと思わせる地形であるなど、何も往時を偲ぶものが残りません。
城域とされる大物主神社は源義経と弁慶が隠れた場所という伝説があるそうで、それにまつわる石碑と、解説板が本堂脇に用意されていますが、こちらも残念ながら大物城に関する記述は見当たりませんでした。
見所は少ないですが、大阪中心部からも近くにある、歴史的に有名なスポットでもあるので、近くによる機会があればぜひ一度は立ち寄られてみてはいかがでしょうか。
所在地
兵庫県尼崎市大物町2
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~新大阪駅 料金 片道14,250円 所要時間 約2時間26分ほど
【JR在来線】JR東海道本線 新大阪駅~大阪駅 料金 片道160円 所要時間 約4分ほど
【阪神本線】梅田駅~大物駅 料金 片道180円 所要時間 約16分ほど
【入館料】0円