佐々木六角氏家臣の後藤但馬守が守った観音寺城の支城
佐々木六角氏の本拠だった観音寺城が築かれた繖(きぬがさ)山の一部に築城された、佐々木六角氏家臣の後藤但馬守賢豊の城と伝わります。
日本城郭大系にはわずかに、佐野山城として紹介され、和田山城、箕作城とともに観音寺城の支城として機能したとのみ紹介されている程度です。
恐らく永禄11(1568)年に織田信長が上洛する際に、観音寺城と同様に織田軍の前に降った運命を辿ったものだと思われます。
歴史背景はあっさりとしか伝わってませんが、佐生(さそう)城の遺構は見事。ここは城ファンはぜひ訪城してほしい城の一つ。訪城ルートとしては能登川駅から上山天満天神社を目指すのが分かりやすいと思います。
しばらくアスファルト補整された山道を北向岩屋十一面観音に向って登り続けます。途中には古墳跡や岩船神社などの見所も多く飽きることなく登山を楽しめます。
北向岩屋十一面観音の幟がでてくると、その階段向正面に「佐生日吉城」の案内標識がでてきますので、ここからは山道をひたすら歩いていきます。観音寺城の支城であり、同じ山続きだけあり、最高所ではなく、十一面観音からはほぼ「降りて」いく地形になります。
しばらくすすむと、いかにも当時の門跡や、土橋、堀切と思われる地形が出現し、ほどなくすると目前に見事な石垣が出現してきます。
この石垣上の郭には但馬守城と刻まれた石碑が用意されています。
佐生城の唯一の見所はこの石垣ですが、これが立派。観音寺城同様に趣のある石垣を堪能することができます。ほぼアスファルト補整された道を登り、山道に入ってからもハイキング道として整備された道を進みますので危険な箇所はほぼありません。虫や爬虫類などの活動が活発になる前の冬がオススメですが、それらが気にならない城ファンの方であれば夏場でも訪城しやすい城だと思います。
恐らく日本城郭大系にも「その他の城郭一覧」に集約されているためか、あまり積極的に佐生城を紹介されているサイトが少なく感じていますが、訪問のしやすさ、また遺構の残存度などを考えて超オススメの近江の山城跡だと思います。
所在地
滋賀県東近江市五個荘日吉町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線ひかり】品川駅~米原駅料金 片道12,610円 所要時間 約2時間10分ほど
【JR東海道本線】米原駅~能登川駅(新快速停車駅)料金 片道320円 所要時間 約12分ほど
【入館料】0円