北近江守護の京極氏執権・上坂氏の居館跡

JR長浜駅から東北方向に直線距離で5キロほど離れた住宅地の中にある児童公園付近が上坂（こうさか）城（上坂氏館）跡とされ、公園内に上坂城の石碑と、上坂氏館としての解説板が設置されています。

それによると、浅井氏が実権を掌握するまで、北近江を統治していた京極氏の重臣だった上坂氏の城館跡で、戦国期の上坂家信・信光は京極氏執権として権勢を奮ったとありますので、この城館もかなりの規模を誇ったものだったのだろうと思われます。

ただ周辺は特に自然の要害であったと思われしき地形的特長も見つけられず、なぜこの位置に、京極氏の重臣格の一族が城館を構えたのかやや不思議に思われました。

浅井氏が京極氏を追いやり北近江を統治し始めてからは意信（おきのぶ）は浅井氏に仕え、さらにその浅井氏が天正3（1573）年に織田信長によって滅ぼされると、敵方の羽柴秀吉の弟秀長に、意信の子・正信が仕え、上坂氏を存続させます。

関ヶ原合戦（1600年）では西軍につき、戦後は帰農して、再び上坂の地へ戻り江戸時代は地域の一有力者として存続したとされます。

石碑のある前に古い茅葺の門があるのですが、この門はその江戸期の「伊賀屋敷」と称された屋敷の移築門だそうです。その脇にある盛り上がった土が土塁であるとの説明があるサイトも見かけますが、確証はありません・・・

今ではほぼ往時を偲ぶものはありませんが、すぐ近くには姉川の戦い（1570年）跡や、またその戦いで使用された陣所など多くの史跡が残る場所ですので、それらと合せて訪問すればグッと楽しさも増す場所です。

クルマを持たない、管理人のような城郭・歴史ファンにはJR長浜駅西口ロータリーにあるオリックスレンタカーのレンタサイクルが500円（2014年10月現在）と周辺ではリーズナブルに借りれますので利用されてみてはいかがでしょうか。