加藤貞勝が築城した岐阜市北西部の近世城郭

黒野城は岐阜駅の北西、直線距離で6キロ強ほどの位置にあります。日本城郭大系と現地解説板によると、加藤貞泰の居城と伝えています。

貞勝の父、光泰は斎藤龍興に仕えた武将で、後豊臣秀吉に仕えた武将だとされます。石田三成の居城として名高い佐和山城主なども務め、天正18（1590）年の小田原征伐で戦功を挙げ、戦後、甲斐に24万石を得るも、文禄元（1592）年の朝鮮出兵で戦功を挙げた後、三成に毒殺されたという説もあるそうですが、帰国途中に急死。

その後をついだ貞勝は大きく減封され黒野に移り、慶長15（1610）年に伯耆米子に6万石で移るまで統治したとされます。黒野城はその後、使用されることもなく短期間でその役割を終えたとのことです。

方形で4隅には櫓が設置されていたとされる黒野城は現在、本丸が公園として整備され、土塁や堀跡を見学することが可能です。2016年12月末に訪問した際は、堀底の掃除のためか、水はありませんでしたが普段は水堀のようです。
現在の土塁には石垣が見当たりませんが、往時は石も使用されていたようです。

2016年12月末に近くの鷺山城などと併せ、岐阜駅でレンタサイクルを借りて訪問しました。かなり距離はあるのですが、周辺には他にも城跡も多いので、それらと併せて回ってみるのもオススメです。

また訪問当日は、京都からの日帰りで他にもまだ回りたい城跡があったため、本丸の公園しか見学できていませんが、現地の解説板によると街中に残る遺構もいくつかあるようでした。

クルマで訪問される方には、専用の駐車場まで整備されていますので、時間に余裕がある方は、是非街中も徒歩でじっくりと散策されてみてはいかがでしょうか。