瓦林正頼が芦屋に築いた戦国期の山城
鷹尾城は関西屈指の高級住宅地として有名な兵庫県芦屋市に存在する山城です。阪急芦屋川駅の北側の山に位置します。
芦屋川駅から城山を目指す途中に解説板が設置されています。登山口は住宅の脇にありハイキングコースとして整備されています。
ただし、舗装道路ではなく、山道として整備されているだけですので、足元はしっかりとした物が必要だと思います。
鷹尾城は平城と詰めの山城で構成され、先の解説板の付近が平時の居館部分と考えられているそうです。ただし平城といっても、十分な高台に位置しています。
築城したのは西宮の越水城、瓦林城に拠った瓦林正頼で、自身が仕えた細川高国と、細川同族の争いとなった澄元との争いに備えて築城されたとされます。
永正8(1511)年頃のことと考えられています。
しかし同年に勃発した芦屋河原の合戦では、最初高国方が優勢でしたが、澄元方の赤松義村らの活躍で形勢逆転。鷹尾城も落城します。
その後、高国方も巻き返し、一時は鷹尾城に正頼も戻ったようですが、さきほど触れた越水城を舞台にした争いが勃発。正頼も永正17(1520)年に落城と共に切腹をしたとされます。
その後、松永久秀が鷹尾城を一時用いたようですが、1565年頃の文献にはその名前が見えず、鷹尾城は廃城になったと考えられているそうです。
第二次世界大戦ではこの城山は高射砲の観測塔が建てられ、その塹壕も作られたそうで、城の遺構か、その塹壕の跡か不明な点も多いのが特徴になっています。
順に登山口から登っていくと、現在テレビ中継局が建てられいる所が本丸と考えられ、そこから先に移動する際に土橋や竪堀らしき地形を確認することができます。
そこには特徴的な二重堀が用意されていますが、これも城の遺構か、第二次大戦の遺構か・・・
山頂は城域から外れるそうで、山頂側から城に向かうと虎口と思われしき地形も確認できました。
冒頭で触れたとおりハイキングコースとしては整備され、管理人も訪城時、何名かのハイカーの方たちとご挨拶を交わさせて頂いた山ですが、樹木が鬱蒼とした箇所も多く、冬場の訪問がベストだと思います。
大阪、神戸両都心からも近い場所にある戦国時代の山城のため、アクセス自体は素晴らしいので、天候のよい日にぜひ訪問して頂きたいと思います。
所在地
兵庫県芦屋市城山
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~新神戸駅(乗換え) 料金 片道14,670円 所要時間 約2時間44分ほど
【神戸市営地下鉄】西神・山手線 新神戸駅~三宮駅(乗換え) 料金 片道200円 所要時間 約2分ほど
【阪急線】神戸線 三宮駅~芦屋川駅 料金 片道220円 所要時間 約14分ほど
【入館料】0円