足利将軍義尚が近江親征時に築いた陣所跡
通常、管理人は電車と徒歩。他の交通手段はバスか、駅前のレンタサイクルのみで城めぐりを楽しんでいますが、ここ鈎(まがりの)陣屋は、近くに親戚が暮らしているため、珍しく車で近くまで運んでもらったので、最寄り駅からのルート情報はインターネット頼みですが、JR草津駅で草津線に乗り換え、手原駅で降りるのが最も近い駅になります。
今は永正(えいしょう)寺の敷地となっており、正門前には解説板も用意されています。先にそちらと、日本城郭大系を基に鈎陣屋の歴史を紹介します。
築城者は足利幕府の第9代将軍・足利義尚(よしひさ)で、六角高頼が公家や寺社領を横領し、それを家臣に与えていたため、幕府を敵に回すこととなり、先の義尚が近江に親征するための陣所で、長享元(1487)年に築城されました。
六角高頼が甲賀に逃れた後も義尚はこの陣所に残り、歌会などを開催し将軍らしい華やかな生活を行ったとされますが、延徳元(1489)年に20前半の若さで、この鈎陣屋において病没したとされます。
現在も寺の西側などに土塁の痕跡や、あと気になったのが東側の竹薮の中に、明らかに空濠らしき跡が、比較的明瞭に見えたのですが、これは遺構かどうか少し自信は持てません・・・
地形は完全に平地帯にできた平城ですが、今も周辺は田んぼも多く、当時は湿地でそれがこの陣所の防御にも適していたと考えられていたのではと、個人的に感じています。
かつては足利将軍が生活を行った場所でありますが、現在は敷地も非常に狭く、残された遺構もわずかなものですが、個人的に栗東は冒頭で触れたように、親戚の縁の街であるなど親近感も昔からある街だけに、一度立ち寄ってみたかったため、訪問できて満足ですね。同じく訪問される際は、何かの予定に合わせて訪問されることをオススメします。
所在地
滋賀県栗東市上鈎
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅(乗換え) 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】東海道本線 京都駅~草津駅(新快速停車駅・乗換え)~手原駅 料金 片道480円 所要時間 約31分ほど
【入館料】無料