甲賀武士の山中氏が本拠にした居城跡
JR草津線の三雲駅と、近江鉄道の水口城南駅のちょうど中間付近にあるのが山中城。現地には解説板も用意されており、そちらでは「山中氏邸」と紹介されていましたが、日本城郭大系に準じるわけではないですが、大系でも「山中城」と紹介されているので、当サイトではそちらに合せて紹介します。
管理人は、この水口城南駅付近の水口城等と合せて訪問したため、城南駅から徒歩でまとめて訪問していますが、それなりに距離はありますので、歩きやすい格好で訪問してください。
水口市街地から少し離れた集落の住宅地の中にある山中城は嘉禄2(1226)年に山中俊信が鎌倉幕府執権の命で、鈴鹿山賊を討った武功でこの地を領し、築城したものだと説明されています。
山中氏はその後最盛期を迎え、長享元(1487)年には足利幕府9代将軍の足利義尚を破り、甲賀武士団柏木三家の一家となったとされます。
足利政権に常に抗したわけでもなさそうで、永禄8(1565)年には足利将軍になる以前、亡命中だった足利義昭を助けるも、後、織田信長と対立。その後、豊臣秀吉の時代の甲賀破儀で鈴鹿峠に追われてしまい、関ヶ原の後には徳川氏の許可を得て、山中城に戻るも代々その規模の縮小を避けられず、弘化4(1847)年に当時の当主・山中俊哲は水口藩に仕え、水口藩邸に移ったとされます。
ほぼ幕末近い時代でもありますし、恐らくその当時には山中城も城としての機能は無くしていたでしょうし、自然消滅に近いものだったと個人的には思っています。
現在、住宅地と田んぼの裏側にある丘に土塁などが残るとされますが、どこもかしこも藪だらけで全く確認することができませんでした。
個人的には好きな歴史小説のひとつ「真田太平記」でも活躍していた甲賀忍者山中氏。もし山中氏がいわゆる忍者であったなら、この山中氏も当然関わっていたでしょうし、そんなちょっとした歴史ロマンに心ときめかせ訪問してみました。
実際、私有地でしょうし、そんな自由に散策もできない状況では、見所も限られてしまうので文中に触れた通り、周辺のその他の城と合せて散策されることをオススメします。
近くのオススメすぽっと
テレビ番組「秘密のケンミンショー」で紹介されたという「スヤキ」という、味付けされていない焼きそばが食べられる「谷野食堂」さん。味付けはテーブルのソースと胡椒で好みの味にして食べるという料理です。ライスつけてもワンコインなので、城めぐりにはもってこいですよ。
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所在地
滋賀県甲賀市水口町宇田小字清水
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線ひかり】品川駅~米原駅料金 片道11,860円 所要時間 約2時間10分ほど
【近江鉄道線】米原駅~水口城南駅料金 片道970円 所要時間 約1時間30分ほど
【入館料】大人100円、小中学生50円(定休日:木曜日、金曜日、年末年始)