神戸市中心部に置かれたとされる陣所跡

各線三宮駅に近い生田神社が城跡推定地です。プロ野球ファンの方であればオリックスバファローズが必勝祈願を行うことでも有名な歴史のある神社です。

日本城郭大系によれば、源平合戦で「義経の逆落とし」があった一戦としても有名な「一ノ谷合戦」（1184年）では平氏の陣所。

さらに後世の南北朝の争いで、楠木正成が命を落とした戦いである「湊川合戦」（1336年）では正成同様に南朝方の武将・新田義貞が陣を置いた場所。

そして、さらに後世の戦国時代には織田信長を裏切った荒木村重が、有岡城、尼崎城と信長軍に制圧され、落ち延びた花隈城で信長軍の池田恒興（信輝）と戦った「花隈合戦」（1580年）では、その恒興が陣を置いた場所と、時代を超えて歴史に名高い戦にかかわってきた場所とされています。

源平合戦にゆかりのある神社であることは、境内の案内板などでも紹介されていましたが、後の新田義貞や、池田恒興らについては触れられていないのは少し残念なところ。

遺構に関しても大都市神戸の中心街三宮ということや、また本殿もあの1995年に起きた阪神淡路大震災で甚大な被害を受け、そこから立て直してきた神社ということで残されてはいませんが、少しその由緒などを読むと、なんと表現してよいか分かりませんが、この立派な神社をいつまでも後世に神戸の人たちが望む形で伝え、残して行って欲しいと思わず思いました。

山手側にはこちらも有名な北野異人館もあり、神戸の代表的な観光スポットも多い場所（元町中華街なども近いです）ですし、合わせて「生田神社」として参拝される方も少なくないと思いますが、かつて歴史に名高い武将たちが陣を置いた場所として参拝されると、また一味違った神戸観光も楽しめると思います。