房総半島の里見氏に睨みをきかせた後北条氏の城塞

浦賀城の位置は京急浦賀駅から道なりに1.5キロほど。
三浦半島の東端に位置する東叶神社の裏山・明神山に、日本城郭大系によると、元は戦国時代に三浦道寸が築城したと考えられ、三浦氏が滅亡後、後北条氏が、東京湾を挟み房総半島に勢力を張った里見氏の攻撃に備えて整備しなおしたものだと考えられているそうです。

小田原衆所領役帳の記録では、愛洲治部少輔、三浦和田の高尾某が浦賀を治め、それぞれ玉縄衆に所属していたようです。

天正18（1580）年に後北条氏が豊臣秀吉によって滅ぼされると、浦賀城も運命を共にし、以来まったくこの城に関する記録もないそうです。

いろいろ調べていると、北側にある東林寺の裏山にも出丸があり、堀切もしっかりと残っているようですが、訪問したのは8月の丁度お盆。明神山頂も夏草が茂り、恐らく北側へ繋がっていそうな道も、大きな蜘蛛の巣に阻まれ、まさに難攻不落状態・・・

いくら街中の山城といえど、訪問に最適なのは冬場ですね・・・
見逃した遺構は再訪問の際に見学したいと思います。

山頂には、東京湾を見渡す展望台があり、そちらから敵対した里見氏の房総半島がよく見渡せました。
またその展望台に浦賀城の解説板も設置されています。

実はこの浦賀城のあった山頂は、幕末に勝海舟が咸臨丸でアメリカに渡る際に、断食修行を行ったそうで、それを示す碑なども設置されています。そしてペリーによる黒船もまさに、先の展望台から見渡せる湾内に現れた歴史もある場所です。

管理人は川崎市に住んでいた時期もあり、「元神奈川県民」なのですが、実は横須賀市には目的を持って「上陸」したことがなく、2016年の夏休みに念願の初訪問。
浦賀城も完全に見学できたわけではありませんが、以前から訪問したかった城跡なので個人的には大満足でした。

訪問に適した時期ですが、城の遺構を見るなら冬場だと思いますが、美しい東京湾の景色を楽しむならば夏の晴天に限るのかもしれませんね（笑）