浅小井四郎長家が築城した城館跡
日本100名城の中でも著名な織田信長の安土城や、信長が侵攻してくる以前、近江で勢力を張った六角氏の観音寺城などの名城の最寄駅であるJR安土駅が浅小井(あさごい)城の最寄駅でもあります。
徒歩で3キロ弱。方角的には一つ京都側の隣駅である近江八幡駅へ向かったところにある住宅地が城跡だとされます。
浅小井城は鎌倉時代初期まで時代を遡り、浅小井四郎長家が築城したとされます。史料によると、この長家が文治3(1187)年に浅小井城で病死したと伝わるそうです。
以後、この子孫は深尾氏を名乗るようになり、この地に暮らしたそうですが、長家の時代は確かに「城」と呼べる状態ではなかったと思いますが、文亀元(1501)年に佐々木(六角)高頼の命を請けて深尾加賀守元秀が城を築いたという史料もあるそうなので、恐らく戦国期には、冒頭で触れた観音寺城の支城としての機能を持って、浅小井城は整備されていったのだと思います。
日本城郭大系には廃城になった時期などが明記されていませんが、大体想像できる通り、信長に対抗した佐々木六角氏に仕えた深尾氏の城ですし、信長侵攻によってこの浅小井城も落城したようなことが、消えかかった文字で現地の解説板に記されています。
信長が安土城を築城してからのことでしょうが、以後は信長の鷹狩りの地として活用されたとも記されています。
現在の浅小井城ですが、日本城郭大系には石垣や堀などの遺構があるように記されていますが、現地には目立った遺構はありません。
ただ、堀跡とされる水路などにも親切に解説板が設置されているので分かりやすい城跡です。
本丸の解説板は少しわかりにくい場所になるかもしれませんので、事前に地図でしっかりと確認して訪問したいです。
見所豊富な城跡ではありませんが、街自体整備されているため非常に訪問もしやすく、その時期も季節問わず訪問できるので、手軽に城めぐりを楽しめる城跡です。
なんといってもこのエリア最大の見所である安土城と観音寺城を訪問するのに合せて時間があればこの浅小井城にもぜひ足を運んでみてください。
所在地
滋賀県近江八幡市浅小井町
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線ひかり】品川駅~米原駅料金 片道11,860円 所要時間 約2時間10分ほど
【JR東海道本線】米原駅~安土駅料金 片道400円 所要時間 約25分ほど
【入館料】0円