尼崎最古の名刹は足利将軍も在陣

阪神尼崎駅の南口の西側に寺町と呼ばれる一帯があります。その名の通り古寺が集中する風情のある街並みで、中には織田信長の重臣でありながら、豊臣秀吉の時代に切腹させられた佐々成政の最期の場所であり墓所でもある法園寺などがあります。

その寺町の中にある大覚寺という寺院はかつて、足利二代将軍の義詮が南北朝の時代に陣を置き、一時は政治経済などでも中心地を担った場所とのこと。またそれをきっかけに中世都市の尼崎も発展を遂げていったそうです。

尼崎大覚寺の歴史は古く、聖徳太子が百済の高僧・日羅上人に命じたのが始まりとも伝わるほど。尼崎では最古の寺とも伝わるそうですが、現在の本堂などは1930年代に再建されたもので残念ながら、歴史的に価値のある建造物は残りません。また城跡の遺構も残ってはいませんが、境内の案内板に「大覚寺城」の名前を確認することができます。

ともかくこの一帯は趣のある通り。ここを散策するだけでも十分に楽しめる一帯です。駅を中心に逆の東側には近代城郭跡の尼崎城の跡地もあるため、合わせて訪問しておきたいエリアです。