関ヶ原前哨戦「大津城の戦い」の舞台となった水城
京阪京津線の浜大津駅を降り、歩道橋を大津港側に渡ったところに石碑が設置されている大津城。2012年9月に再訪問しました。
まず大津城の歴史は日本城郭大系によると織田信長が没し、豊臣秀吉の時代になっていた天正14~15(1586~87)年の頃に、明智光秀の坂本城の建材などを用い築城。浅野長吉が初代城主をつとめたとされます。
本丸は琵琶湖に突き出す構造で、堀の水も湖水をひいた水城の構造だったと昭和14年に出された田中宗太郎氏の「大津考証図」などでは考えられています。
大津城を一躍歴史の表舞台に押し上げたのは、京極高次が城主を務めていた慶長5(1600)年。同年に起こる「関ヶ原の戦い」の前哨戦の一つになった大津籠城戦。
東軍についた京極軍を、西軍の毛利元康(元就の子で、西軍大将・輝元の傘下にあった)の大軍が包囲。最後は毛利軍の前に開城した大津城ですが、大津に釘づけさせたことで毛利の大軍を関ヶ原に向かわせなかった戦いとなりました。
その後、廃城となり天守閣は彦根城へ転用されたと伝わり、他にも膳所城にも建材は転用されたとされます。
現在ミシガンが発着している大津港のあたりが本丸とされますが、港湾施設や商業施設などが開発され遺構や往時を偲ぶものは、本丸付近には全くありません。
その位置から京都方面へ伸びる161号線(京津線が路上を走っている道路)を登り「中央一丁目」交差点にあるアーケード付の商店街の中に入り、大津祭曳山展示館(参考:NPO法人大津祭曳山連盟の公式サイト )の裏側の壁は、大津城の石垣と伝わります。隣接する駐車場の壁が見学しやすいと思います。
ただ正直な感想、民家の壁にしか見えないという感じで、出来れば解説板などが設置されると嬉しいですね・・・
かつての名城も完全に市街地となっており、時期や天候は全く気にせず訪問できますが、正直見所は限られてしまうため、文中でも触れた東側の膳所城や、西側の坂本城等、他の大津市内の城郭跡と合わせて散策されることをオススメしたいです。
近くのオススメすぽっと
大津城の石碑前の大通りを東側へ、京阪島ノ関駅が最寄の「最後にカツ」さんは三重・四日市のご当地グルメ「とんてき」をメインにしたお店。カレーライスを頂きましたが、びっくりするくらいお肉はジューシーで、また分厚く食べ応え満天!カウンターメインの小さな店舗ですがここはオススメです。
食べログの紹介ページはこちら
文中でも触れた大津城の石垣と伝わる壁が見学できる大津城曳山展示館は、無料で京都祇園祭を思わせる曳山について様々なことを学べます。石垣見学に合わせてこちらもどうぞ。
NPO法人大津祭曳山連盟の公式サイトはこちら
所在地
滋賀県大津市浜大津
新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~京都駅 料金 片道13,520円 所要時間 約2時間15分ほど
【JR在来線】東海道本線 京都駅~山科駅(乗換え) 料金 片道180円 所要時間 約5分ほど
【京阪線】京津線 京阪山科駅~浜大津駅 料金 片道230円 所要時間 約12分ほど
【入館料】無料