日本の城巡り「MARO参上」

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国府山城・妻鹿城(兵庫県)

黒田官兵衛が秀吉に姫路を譲り移った山城

 

世界遺産・姫路城のほぼ南に4.5キロほどの位置に妻鹿(めが)と呼ばれる地区があります。ここの甲山の山頂に築かれた城が国府山(こうやま)城(別名・妻鹿城)です。

日本城郭大系によると元弘3(1333)年に播磨守護・赤松則村の家臣・妻鹿孫三郎長宗が築城したと記されています。

国府山城を一躍有名にしたのは、2014年NHK大河ドラマの主人公となった豊臣秀吉の名軍師「黒田官兵衛」こと黒田孝高(後、如水)。

天正5(1577)年に羽柴秀吉が織田信長の命で播磨に入ると小寺政職(まさもと)の重臣だった官兵衛は、信長の播磨統一事業に大きく貢献。別所長治らが毛利氏方に翻り、勃発した三木合戦(1576~80)も、天正8(1580)年に三木城が落城すると、官兵衛は小寺を捨て完全な織田傘下の秀吉家臣になり、居城だった姫路城を秀吉に差し出し、自らはこの国府山城を築いて移ったとされています。

当初、秀吉は峻険な土地にあった三木城を居城にしようとしたそうですが、官兵衛がこれからの時代は海陸両方の要地である姫路城にこそ新主君である秀吉に相応しいと譲り、自らも海から姫路に入る関門である国府山に新城を築いたと伝わります。

現在、山陽電鉄の妻鹿駅北側にこんもりと甲山が見え、その麓には荒神社が祀られています。
その神社脇から登山道が出ており、道中も案内標識など整備された山道を進んでいきます。麓には「妻鹿城」の大きな石碑も設置されています。

途中鉄塔が建つ郭に出ますが、そこは本丸でなくさらに山道を登っていくことになります。本丸からは北側に姫路城もくっきりと確認することができます。主君の城をまるで見下ろしている位置になりますが、織田家きってのキレ者二人のこと。旧態依然とした価値観には拘らず先を見据えてそれぞれのポジションを選んだということなのでしょう。

戦国時代の山城ということで、当サイトに遊びに来て頂いている城・歴史ファンの方の多くがワクワクされることかと思いますが、案外見所と呼べる場所に困る城でもあります。

この城の最大の見所はなんといっても戦国時代きっての名軍師である黒田官兵衛が一時居城にし、秀吉の下で姫路城内で過ごした時間も多かったでしょうが、それでも官兵衛が恐らく見たであろう、国府山城本丸からの姫路城の眺め。官兵衛と同じ景色を見ることができるという「歴史ロマン」かと思います。

道中は整備されているといえ、山道ですから冬場の晴れた日が一番安全に城散策を楽しむことができると思います。足元は油断せずにしっかりとした履物を選びたいところです。

大阪方面からであれば、阪神山陽電鉄の一日フリーパスポートを利用すればおトクに訪問することが可能です。妻鹿駅周辺には官兵衛の父・職隆(もとたか)の霊廟など黒田家ゆかりの土地。黒田家ファンの方なら大満足して頂ける歴史背景のある街です。

所在地

兵庫県姫路市飾磨区妻鹿

新宿駅からのルート(※料金や所要時間は目安です。)

【JR在来線】JR山手線 新宿駅~品川駅(乗換え) 料金 片道200円 所要時間 約20分ほど
【JR新幹線】新幹線のぞみ 品川駅~姫路駅(乗換え・徒歩) 料金 片道16,160円 所要時間 約3時間ほど
【山陽電鉄】山陽姫路駅~妻鹿駅 料金 片道230円 所要時間 約10分ほど
【入館料】0円

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